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不動産売却をした際に適用できる特例や2種類の税率と計算

      2017/06/26

不動産売却と聞くと、大きな要件のように思えて、ついつい難しく考えてしまう方も多いかもしれません。

やはり、不動産の売却は、金銭的な動きが普段の売買よりも高額になりがちです。

そのため、何か失敗などがあると、大きな損失を生んでしまう原因になってしまうこともあります。

特に、売却後に支払いが必要になる税金は、事前に計算をしておかないと支払い時に面食らってしまうことも少なくありません。

そのため、不動産売却を考えていらっしゃる方は、きちんと税金の計算方法や特例について知っておくことが大切です。

このページでは税金時に適用ができる主な特例について記載しております。

目次

不動産売却時の主な各種特例

不動産売却の際に、税金計算を疎かにしたり、特例などを見落としていたりすると、最終的な売却益が思ったより少なくなってしまうこともあります。

そのため、事前にこれらの費用や特例について、きちんと把握しておくことが大切です。

やはり、税金計算時などに適用ができる特例を知らないと、後に後悔をしてしまうことにもなりかねません。

譲渡利益が出た場合の各特例

不動産を売却して、利益が出た場合、利益の大きさや売った条件などによって各種特例を受けられることがあります。

まず、不動産を売却する前に確認しておきたい特例として、「3,000万円の特別控除の特例」というものがあります。

これは、一定の条件を満たしていれば、売却による譲渡所得から、3,000万円を控除できるという特例です。

この特例を適用した場合、支払うことになる税金などを大幅に削減できる可能性があります。

そのため、各種適用条件を満たしていらっしゃる方は、是非とも適用をしておきたい特例です。

また、「買換え特例」というものもあり、これは名前の通り、不動産売却後にマイホームを買換えると適用ができる特例です。

この特例を適用した状態で、マイホームを売った際に出た売却金を買換え時の支払いに充てると、その支払い分の売却金の税金分が繰り延べになります。

なお、この特例を受けるためには、
「譲渡する年の1月1日時点で、家屋とその敷地の所有期間がいずれも十年を超えていること」や
「平成27年12月31日までに譲渡をしなくてはいけない」
など、各種条件がありますので、適用を考えていらっしゃる方はご注意ください。

以上が、不動産譲渡時に利益があった場合に適用ができる主な特例となります。

では、次からは、不動産譲渡時に損失が出た場合の特例についてご説明致します。

譲渡損失が出た場合の各特例

住宅を売ってその譲渡所得が損益であった場合、各種特別控除を受けられることがあります。

これは、「(居住用財産の買換え等の場合の・特定居住用財産の)譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」というもので、これを適用すると譲渡をした年だけではなく、その翌年以後3年以内の各年における総所得金額から一定の方法による控除を受けることができるようになります。

そのため、売却後4年間の課税所得金額合計よりも損失額のほうが大きければ、その間の所得税が大幅に削減できます。

もちろん、この特例にも、
「平成16年1月1日から平成27年12月31日までに譲渡の年の1月1日現在において、土地建物の所有期間がいずれも5年を超えていること」
などの適用条件がありますので、適用を考えていらっしゃる方はご注意ください。

以上が、譲渡所得が損失であった場合の主な特例になります。

次は、これら以外にどういった特例があるのかを書き出しておりますので、必要な方はご確認ください。

上記以外の主な特例の一覧

上記以外にも、マイホームを売る際に、所有期間が譲渡した年の1月1日時点で10年を超えている場合に適用ができる「10年超所有軽減税率の特例」というものもあります。

この特例が適用できると、課税譲渡所得が6,000万円以下の場合は、
「所得税が10%(復興特別所得税を含めると10.21%)」
「住民税が4%」
になり、必要な税金を大きく削減することができます。

なお、課税譲渡所得が6,000万円を超えている場合には、6,000万円以下の部分を上記の税率で計算し、超えている部分は通常の長期譲渡所得の税率で計算をします。

更に、この特例は、3,000万円の特別控除と一緒に受けることができますので、条件の揃っている場合には是非、併用を考えてみてください。

また、これまでに説明をした特例以外にも、不動産の種類などによっては、更に特例などを受けることができる場合もあります。

不動産売却時の上記以外の主な特例につきましては、以下の表をご覧ください。

【上記以外の主な特例一覧】

  • 収用などで資産を譲渡した場合の課税の特例
  • 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の控除特例
  • 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の控除の特例
  • 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の控除の特例
  • 相続等により取得した居住用財産の買換えの特例
  • 特定の事業用資産の買換えの特例
  • 事業用資産を交換した場合の特例
  • 大規模な住宅地造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の特例
  • 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例

もちろん、これらの特例も、各種適用条件を満たしていなければ適用ができませんのでご注意ください。

そのため、適用をしたい特例がある場合には、事前にきちんと適用条件などを確認しておくことが大切です。

やはり、特例が適用できると売却時の出費も少なくなり、いざという時の金銭的な負荷も少なくなります。

住居用財産(マイホーム)を譲渡した場合の主な特例の適用条件一覧
譲渡による
収益の状態
譲渡年の
1月1日に
おいての
所有期間
適用される可能性のある特例
譲渡による
利益がある
10年超え

特定住居用財産の買換え特例




3000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例
5年超え
10年以下
3000万円の特別控除の特例
5年以内 3000万円の特別控除の特例
譲渡による
損失がある
5年超え

居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算および損失の繰越控除の特例




特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および損失の繰越控除の特例
5年以内 特に適用される特例はありません

以上が、不動産譲渡時に適用できる特例になります。

以下からは、これら特例を適用した「課税譲渡所得」からどのように税額を計算するのかをご説明致します。
安くなる

譲渡所得税と住民税の税率

一般的に、不動産売却には長期譲渡所得と短期譲渡所得の二種類があります。

そのため、売却を行う予定の不動産は、どちらの税率になるのかをきちんと知っておくことが大切です。

この項目では、長期譲渡所得と短期譲渡所得になる条件や税率について説明をしていきます。

長期譲渡所得の条件と税率

長期譲渡所得とは、譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える土地や建物を売却した際の譲渡所得のことです。

長期譲渡所得の税率は、
「所得税に15%」、「住民税に5%」
となりますので、これらを合計した「20%」が税率ということになります。

更に、平成25年から平成49年までの期間は、復興特別所得税として「所得税に2.1%」を併せて申告・納付しなくてはいけません。

そのため、上記の税率に「15%の2.1%分を加算した20.315%」が現在の長期譲渡所得の税率です。

この税率を
「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-各種控除額」
から算出した「課税譲渡所得金額」に掛けたものが、支払いに必要な税額ということになりますのでご確認ください。

以上が、不動産を売却した際に短期譲渡所得になる条件と、その税率の説明になります。

次は、短期譲渡所得の税率についてご説明致します。

短期譲渡所得の条件と税率

一方、短期譲渡所得とは、譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下の土地や建物を売った時の譲渡所得のことです。

短期譲渡所得の税率は、
「所得税に30%」、「住民税に9%」
となりますので、これらを合計した「39%」が税率ということになります。

更に、短期譲渡所得のほうも、長期譲渡所得と同様に、平成25年から平成49年まで復興特別所得税として「所得税に2.1%」を併せて申告・納付しなくてはいけません。

そのため、上記の税率に「30%の2.1%分を加算した39.63%」が、現在の短期譲渡所得の税率です。

こちらも長期譲渡所得同様、この税率を
「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-各種控除額」
から算出した「課税譲渡所得金額」に掛けたものが支払いに必要な税額ということになります。

おびえる

不動産売却時の課税譲渡所得にかかる所得税率と住民税率の一覧
所得の
区分
譲渡年の
1月1日に
おいての
所有期間
所得税と住民税を
合計した税率
長期譲渡
所得
所有期間
5年超え
20.315%

(所得税15%+住民税5%)
(復興特別所得税0.315%(15%の2.1%))
短期譲渡
所得
所有期間
5年以内
39.63%

(所得税30%+住民税9%)
(復興特別所得税0.63%(30%の2.1%))

これを元に、課税譲渡所得が3,000万円の物件の税金を実際に計算した場合、税額は以下の通りになります。

長期譲渡所得の場合、所得税は「3,000万円×15%=450万円」、復興特別所得税は「450万円×2.1%=9万4,500円」、住民税は「3,000万円×5%=150万円」の「合計609万4,500円」です。

短期譲渡所得の場合、所得税は「3,000万円×30%=900万円」、復興特別所得税は「900万円×2.1 %=18万9,000円」、住民税は「3,000万円×9%=270万円」の「合計1188万9,000円」になります。
(計算した税額に、もし百円未満の値がある場合には、その値を切り捨ててください。)

以上が、不動産譲渡時に必要な税額の計算方法になります。

最後は、不動産を売却する際の原価についてご説明致します。

不動産の置換原価の算出方法

原価の算出方法には再調達原価をもとにする場合と、「置換原価」をもとにする場合があります。

再調達原価とは、
「対象の不動産を価格時点において再調達することを想定した場合に、必要とされる適正な原価の総額」に、
「購入時に付帯費用を加算」して
求めたものです。

一方、置換原価とは、
「対象不動産の再調達原価を割り出せない場合に、同等の有用性を持つものに置き換えて原価を求める」
方法になります。

この置換原価が必要になる状況などに関しては、次でご説明致します。

置換原価が必要になる場合

不動産は、時代の移り変わりと共に、適正な価格を算出することが難しくなってしまうものもあります。

当時の不動産の原価が分からない場合の例としては、建設資材、工法の変遷により再調達原価が割り出せない場合などです。

こういった場合に、再調達原価を使用すると、適正な価格で売買を行うことができません。

そのため、当時の不動産の原価が分からない際には、「置換原価」で原価を算出するのが一般的です。

置換原価は、上記の通り、不動産の再調達原価を割り出せない場合に、同等の有用性を持つものに置き換えて原価を求める方法のことです。

そのため、再調達原価よりも、現在の市場価格に近い原価を求めることができます。

以上が、置換原価が必要になる状況と理由になります。

なお、万が一、こういったことについて分からないことがありましたら、不動産会社に見積もりをお願いしたり、国税庁などに相談をしたりするのも一つの手です。

こういった専門の方々は、やはり分からない部分に対して、きちんと説明をしてくださいます。

そのため、現在、不動産売買について、不安や疑問を抱えていらっしゃる方は、一度、相談を考えてみてはいかかでしょうか?

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