不動産売却時の仲介手数料の計算方法と安くするためのコツ
2015/12/09
目次
不動産売却は不動産屋に仲介を依頼
物件や土地などを売却したいと考えていらっしゃる方は、まず買主の方を探さないといけません。
買主の方を探すには、主に個人で探していく方法と、不動産会社に依頼をして探していく方法の2つに分けられます。
どちらの方法を選ぶのも売主の方の自由ですが、特別な事情がない限りは不動産会社に依頼をしたほうが、買主の方は購入をしやすいというメリットがあります。
売主の方にもメリットがあり、不動産会社が仲介を行ってくださいますので、トラブルなどに遭う可能性が低くなり、多くの面で負担が少なくなります。
当然仲介手数料がかかる
もちろん、その分仲介手数料などがかかってしまいますが、最近ではこの費用を節約できる場合もあります。
かかる費用を抑える方法については後程書かせて頂きますので、まずは不動産売却の時の仲介手数料についてご説明致します。
不動産売却の時の仲介手数料
仲介手数料とは不動産会社に仲介を依頼し、売買の契約が成立をした時に請求権が発生をする手数料のことです。
不動産会社が請求をできる金額には上限があり、売却をした不動産の価格(税抜)によって変動をします。
仲介手数料の上限額は料率や速算式を利用すれば、誰でも計算をすることが可能です。
どちらを使っても同じ金額が求められますので、ご自身が計算をしやすい方法を選択してください。
それでは、まず料率を使い上限額を計算する方法についてご説明致します。
料率を使い上限額を計算
仲介手数料は、売買をした不動産の取引額によって上限額が異なります。
仲介手数料の上限料率は、下記の表の通りです。
不動産の取引額 | 料率 |
---|---|
200万円以下 | 5%以内 (税込で5.4%以内) |
200万円超 400万円以下 |
4%以内 (税込で4.32%以内) |
400万円超 | 3%以内 (税込で3.24%以内) |
以上が、仲介手数料の上限料率となります。
この料率を使って仲介手数料を算出することができますが、計算をする時には注意をしないといけない点があります。
「200万円」以下の取引では「取引額×5%+消費税」で仲介手数料の上限額を算出できるため、比較的簡単に計算をすることができます。
問題は、不動産の取引額が「200万円」を超える時で、この場合は計算が少し複雑になってしまいます。
例えば、不動産を「300万円」で売買を行った時には、「200万円」までは「5%」、残りの「100万円」には「4%」の料率が適用をされます。
そのため、「200万円×5%+100万円×4%+消費税」というように、2つに区切って計算をする必要があります。
「400万円」を超える時は更に複雑になり、3つに区切って計算をすることになります。
今度は、「400万円」を超える金額である「3,000万円」で不動産の売買を行った時の仲介手数料の上限額の求め方を見ていきます。
不動産を「3,000万円」で売買を行った時には、「200万円」までは「5%」、「201万円」から「400万円」までは「4%」、更に残りの「2,600万円」は「3%」と区切って計算を行います。
これを式に直しますと、「200万円×5%+200万円×4%+2,600万円×3%+消費税」となり、少し計算が大変になります。
これらを踏まえて計算を行いますと、取引額が「200万円」、「300万円」、「3,000万円」の時の仲介手数料の上限額は、下記の表の通りです。
取引額 | 上限額の求め方 | 上限額 |
---|---|---|
200万円の場合 | 【税抜の計算式】 200万円×5%+8,000円 【税込の計算式】
200万円×5.4%
|
108,000円 |
300万円の場合 | 【税抜の計算式】 200万円×5%+100万円×4%+11,200円 【税込の計算式】
200万円×5.4%+100万円×4.32%
|
151,200円 |
3,000万円の場合 | 【税抜の計算式】
200万円×5%+200万円×4%+2,600万円×3%+76,800円
【税込の計算式】
200万円×5.4%+200万円×4.32%+2,600万円×3.24%
|
1,036,800円 |
このような流れで計算を行うことになりますので、参考にしてください。
以上が、料率を使い上限額を計算する方法についてとなります。
次は、速算式を使い上限額を計算する方法についてご説明致します。
速算式を使い上限額を計算
料率を使った方法では、「200万円」を超える不動産を売買する際は、幾つかに区切って計算をする必要がありました。
幾つかに区切って計算をするとなると、面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、仲介手数料の算出にはもっと簡単な方法が存在をします。
それが速算式を使った方法で、こちらを使えば、料率を使って計算を行うよりも算出がしやすくなります。
仲介手数料の上限額の速算式は、下記の表の通りです。
不動産の取引額 | 仲介手数料の速算式 |
---|---|
200万円以下 | 【税抜の速算式】 取引額×5%+消費税 【税込の速算式】
取引額×5.4%
|
200万円超 400万円以下 |
【税抜の速算式】 取引額×4%+2万円+消費税 【税込の速算式】
取引額×4.32%+21,600円
|
400万円超 | 【税抜の速算式】 取引額×3%+6万円+消費税 【税込の速算式】
取引額×3.24%+64,800円
|
以上が、仲介手数料の上限額の速算式となります。
このように、速算式では幾つかに区切って計算を行わず、各料率を乗じた後に決まった金額を加算すれば算出が行えます。
売買金額が「200万円」の場合は、「200万円×5%+消費税」で仲介手数料の上限額を求めることができます。
こちらは、料率を使って計算をする時と全く同じ計算式となっております。
売買金額が「300万円」の場合は、「300万円×4%+2万円+消費税」で仲介手数料の上限額を求めることができます。
こちらは、料率を使って計算をする時とは異なり、取引額に「4%」を乗じた後に、「2万円」を加算して計算を行います。
料率を使った時には、取引額の「200万円」までは「5%」、残りの「100万円」には「4%」を適用して計算を行いますが、こちらはその必要はありません。
売買金額が「3,000万円」の場合は、「3,000万円×3%+6万円+消費税」で仲介手数料の上限額を求めることができます。
こちらも、料率を使って計算をする時とは異なり、取引額に「3%」を乗じた後に、「6万円」を加算して計算を行います。
料率を使った時には、取引額の「200万円」までは「5%」、「201万円」から「400万円」までは「4%」、更に残りの「2,600万円」には「3%」を適用して計算を行いますが、こちらはその必要はありません。
これらを踏まえて計算を行いますと、取引額が「200万円」、「300万円」、「3,000万円」の時の仲介手数料の上限額は、下記の表の通りです。
取引額 | 上限額の求め方 | 上限額 |
---|---|---|
200万円の場合 | 【税抜の速算式】 200万円×5%+8,000円 【税込の速算式】
200万円×5.4%
|
108,000円 |
300万円の場合 | 【税抜の速算式】 300万円×4%+2万円+11,200円 【税込の速算式】
300万円×4.32%+21,600円
|
151,200円 |
3,000万円の場合 | 【税抜の速算式】 3,000万円×3%+6万円+76,800円 【税込の速算式】
3,000万円×3.24%+64,800円
|
1,036,800円 |
このような流れで計算を行うことになりますので、参考にしてください。
上記の表の計算結果は、いずれも料率を使って計算をした時と同様です。
計算方法が異なるのに計算結果が合うことを不思議に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは「2万円」と「6万円」を足すことで、必要な計算を省いているのです。
そのため、差分の「2万円」と「6万円」を計算に含めることで、「200万円」を超える時にわざわざ幾つかに区切らなくても、簡潔な式に置き換えて計算をすることが可能となっております。
以上が、速算式を使い上限額を計算する方法についてとなります。
今度は、先程も少し触れましたが、仲介手数料の節約の方法についてご説明致します。
仲介手数料を半額にする方法
やはり、なるべく物件や土地などの利益を多くするためには、売値を高めるだけではなく、売却の際にかかってしまう費用を抑えることも大切になってきます。
費用を抑えるためには、仲介手数料の割引サービスを利用するという方法があります。
手数料の割引サービスを利用
不動産を売却した時に費用を抑えたいのであれば、できる限り仲介手数料などの安い不動産会社を探せばいいということになります。
実は、不動産会社に増えているサービスの1つに、仲介手数料の値引サービスがあります。
このサービスにより、仲介手数料を半額や無料などに割引してもらえるため、不動産会社に依頼をしても不動産の売買にかかる費用を節約することが可能です。
もちろん、半額や無料でとなると不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは不動産会社が利用者を増やすために始めたサービスです。
そのため、優良な不動産会社でも仲介手数料の値引サービスが行われていることがあり、決して悪質なものではありませんのでご安心ください。
どうしても心配な方は、事前に不動産会社の方に相談を行うことで、詳しく内容を教えてもらうことができます。
以上が、仲介手数料の節約の方法についてとなります。
今度は、仲介手数料の仕訳についてご説明致します。
仲介手数料の仕訳のやり方
売却が成立をした際に、仲介手数料の仕訳をどうすればいいのか悩んでおられる方もいらっしゃるかもしれません。
やはり、仕訳について詳しくご存知でない方は、どうすればいいのか分からず、多くの部分が曖昧になりやすいです。
仕訳は適当に行っていいものではありませんので、曖昧になっていらっしゃる方は参考にしてください。
仲介手数料の勘定科目
仲介手数料は、一般的に「支払手数料」に計上をすることが多いようです。
そのため、相談をした専門家の方などに他の処理を勧められない限りは、こちらを選択してください。
以上が、仲介手数料の勘定科目についてとなります。
おそらく、自宅のような個人利用をしているものを売却する時には、仕訳は必要にならないことが多いです。
そのため、個人利用をしているものを売却する時には、あまり仕訳や勘定科目について考える必要はないかもしれません。