不動産の売却を被扶養者の名義で行った場合の影響と損失
2016/01/27
不動産の売却を専業主婦の方などが行う場合は、扶養について考えておかなくてはいけません。
専業主婦の方や低所得の主婦の方は、ご主人の被扶養者となっていらっしゃることが多いです。
扶養に入るためには幾つか条件があり、不動産の譲渡所得によっては、特定の控除を適用できなくなる可能性があります。
そのため、不動産の売却によって、扶養から外れたくないという時には注意が必要です。
今回の記事では、この不動産売却と扶養についてご説明致します。
目次
被扶養者名義での不動産売却
扶養とはご自身で生活を維持するだけの資産や能力のない方に対して、他の方が面倒を見ている状態のことを指します。
資産や能力のない方は他の方の扶養に入ることにより、経済面で大きな恩恵を受けることができます。
こういった扶養をしている立場の方(面倒を見ている側)を「扶養者」、扶養をされている立場の方(専業主婦など)を「被扶養者」と呼びます。
不動産を売却することで被扶養者の方に一定金額以上の所得が出てしまった場合は、扶養から外れる可能性があります。
不動産の売却によって外れる可能性のある扶養は、「税金の扶養」、「健康保険の扶養」、「会社の扶養手当」の主に3種類です。
それでは、まず税金の扶養から外れた時の影響についてご説明致します。
税金の扶養を外れた時の影響
税金の扶養についてですが、配偶者の方が扶養に入っている間は、扶養者の方が支払う所得税と住民税を安くすることができます。
所得税と住民税を計算する時には、まず税金額の算出に必要になる課税所得の計算を行います。
この課税所得の計算を行う時に、配偶者の方の所得金額に応じて、一定の金額を控除することが可能です。
当然に、控除の金額が多ければ多いほど課税所得の金額が減り、所得税や住民税の負担額が少なくなります。
その影響により、被扶養者の方が税金の扶養から外れてしまった年は、扶養者の方が支払う所得税と住民税が増えてしまいます。
所得税は今年の所得に対して同年に課税をされますが、住民税は今年の所得に対して来年に課税をされます。
被扶養者の税金につきましては、扶養から外れることによる影響は特にありません。
ただし、扶養の影響とは異なりますが、不動産の売却による譲渡所得税と住民税の支払義務が発生をする可能性があるという点にはご注意ください。
例え、売却を行ったのが未成年の方でも、一定金額以上の譲渡所得があれば譲渡所得税と住民税の納税義務が発生をします。
以上が、税金の扶養を外れた時の影響となります。
次は、健康保険の扶養から外れた時の影響についてご説明致します。
保険の扶養を外れた時の影響
ご自身の勤務先や年齢によって、加入をできる健康保険の種類は異なります。
一般的な民間企業に勤務中の方は、社会保険や共済保険に加入をします。
学生、無職、自営業、農林業のように民間企業以外に属していらっしゃる方は、他の方の扶養に入らない限り国民健康保険に加入をします。
75歳以上の方、もしくは65歳以上75歳未満で一定の障害をお持ちの方は、後期高齢者医療制度に加入をします。
国民健康保険と後期高齢者医療制度につきましては、元から扶養という概念がありません。
そのため、扶養者の立場の方が国民健康保険か後期高齢者医療制度に加入をしていらっしゃる場合は、扶養から外れた時の影響を考える必要はありません。
社会保険と共済保険には扶養という概念がありますので、現在被保険者(扶養者の立場で保険に加入をしていらっしゃる方)の方の被扶養者の方は、外れることで影響を受けてしまいます。
社会保険や共済保険に扶養者の立場の方が加入をしていれば、条件を満たした親族の方は一緒に加入をすることができます。
加入ができる被扶養者の方に人数制限はなく、加入者が増えても健康保険料は一切上がりません。
こういった特徴から、被扶養者の方は実質的に健康保険料を支払うことなく保険に加入ができるため、万が一被扶養者の方が健康保険の扶養から外れてしまった場合は、この恩恵を受けられなくなってしまいます。
健康保険の扶養から外れてしまった時は、ご自身で国民健康保険に加入をしなくてはいけません。
国民健康保険は社会保険や共済保険とは異なり、同一世帯の加入人数によって健康保険料が変わります。
そのため、同一世帯に国民健康保険の加入者が増えれば、その分健康保険料が高くなります。
更に、国民健康保険は同一世帯の加入者全員の総所得によって、健康保険料を決定します。
その影響により、不動産の売却益によっては最大額まで来年の健康保険料が上がってしまう可能性もあります。
なお、国民健康保険の健康保険料は、来年に世帯主の方に請求をされます。
本来、必要のない支払いになるため、外れしまった時は非常に損をしてしまいます。
また、健康保険と年金は基本的にセットですので、社会保険に加入をしていらっしゃる方は厚生年金に、共済保険に加入をしていらっしゃる方は共済年金に加入をします。
そのため、健康保険の扶養から外れた時は、必然的に年金も国民年金に切り替えをする必要があります。
国民年金に切り替えを行うことで、定額の年金保険料を毎月納付しなくてはいけなくなります。
納付を行う期間は、国民年金に加入をした月から国民年金をやめた月の前月までです。
配偶者以外の方で20歳以上の方は、ご家族の健康保険の扶養に入っていても、年金の保険料はご自身で納付をする必要がありますので、こちらは関係がありません。
配偶者の方は健康保険料と同様に、扶養に入っていれば年金保険料も支払う必要がないため、こちらも外れてしまった時は非常に損をしてしまいます。
健康保険、年金は扶養から外れた時点で影響がありますので、外れたことに気付かず、いつも通り病院などに通ってしまうと、後にその分をまとめて請求される可能性があります。
以上が、健康保険の扶養を外れた時の影響となります。
次は、会社の扶養手当から外れた時の影響についてご説明致します。
扶養手当を外れた時の影響
やはり、会社の扶養手当から外れてしまった時は、今まで適用をされていた控除などが一切受けられなくなります。
そのため、今まで会社から出ていた手当てを頼りにしていた方は、大きな打撃を受けてしまいます。
年末近くに不動産を売却した場合は、その年に毎月もらっていた手当分を返金しなければなりません。
手当の内容などは各会社で異なりますので、デメリットが大きい時は売却をする前に対策をする必要があります。
以上が、会社の扶養手当を外れた時の影響となります。
今度は、実際に扶養から外れてしまう年間の収入や合計所得金額などについてご説明致します。
不動産の売却益と扶養の関係
不動産を売却したことによって売却益が出た時は、「譲渡所得」として確定申告を行います。
そして、その譲渡所得が一定の金額を超えてしまった場合は、扶養から外れなくてはいけません。
税金と健康保険の扶養を外れてしまう金額の条件は異なるため、場合によっては片方だけ外れてしまうということもあります。
一般的には、扶養から一度外れてしまっても、条件を満たせば再加入をすることが可能です。
それでは、まず税金の扶養を外れる所得金額についてご説明致します。
なお、会社の扶養手当てにつきましては、それぞれの方で規定が異なってしまうため省かせて頂きます。
税金の扶養を外れる所得金額
税金とは所得税と住民税のことを指し、扶養者の方は配偶者の方が被扶養者になることにより、この2つの支払いに一定金額の控除を受けられます。
その恩恵により、扶養者の方は支払う税金額が減り、本来必要になる支出を抑えることが可能となっております。
配偶者の方が被扶養者の立場である限りは、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」のどちらかを適用することができます。
控除を受けるためには、配偶者の方の年間の合計所得金額が関係をしてきます。
不動産の売却による譲渡所得も例外ではないため、利益が見込める方は注意が必要です。
それでは、まず「配偶者控除」についてご説明致します。
「配偶者控除」は、配偶者の方の年間の合計所得金額が「38万円以下」であれば適用をすることができます。
給与所得などのある方も年間の合計所得金額が「38万円」を超えなければ、適用をすることが可能です。
「配偶者控除」を適用した場合は、年間に所得税を「38万円」、住民税を「33万円」控除することができます。
専業主婦の方や制限を入れてパートをしていらっしゃる方は、殆どの場合、こちらの控除を適用することになります。
パートをしており、年間で「38万円」を超える所得がある場合は、こちらを適用することはできません。
パートをしており、年間で「38万円」を超える所得がある場合、一定の金額までは「配偶者特別控除」を適用することができます。
それでは、次は「配偶者特別控除」についてご説明致します。
配偶者の方は、年間の合計所得金額が「38万円」を超えていても控除を受けることができ、それが「配偶者特別控除」です。
「配偶者特別控除」は、扶養者の方のその年における合計所得金額が「1,000万円以下」であり、配偶者の方の年間合計所得金額が「76万円未満」であれば適用をすることができます。
こちらは、給与所得などのある方も年間の合計所得金額が「76万円未満」であれば、適用をすることが可能です。
「配偶者特別控除」を適用した場合は、年間に所得税を「3~38万円」、住民税を「3~33万円」控除することができ、配偶者の方の年間合計所得金額が上がるにつれて控除額は下がります。
「配偶者特別控除」は、年間の合計所得金額が「76万円」未満であれば控除を受けられるため、主に「配偶者控除」を適用できないけれど、年間の合計所得金額が「76万円未満」の範囲でパートをしていらっしゃる主婦の方が適用をすることになります。
扶養者の方の配偶者であるという条件は「配偶者控除」と共通ですが、「配偶者特別控除」のほうが適用をできる年間の合計所得金額の範囲が大きいです。
その分、「配偶者特別控除」は控除額が下がることが多く、「配偶者控除」のほうがより節税をできる可能性が高いと言えます。
以上が、税金の扶養を外れる所得金額についてとなります。
次は、健康保険の扶養を外れる収入の金額についてご説明致します。
保険の扶養を外れる収入金額
こちらは税金の扶養とは異なり、所得ではなく収入の金額で判断をします。
(一般的なパートの方の場合、収入は給与や賞与などの年間の合計収入のことを指し、所得は先程の収入から給与所得控除などを差し引いた金額のことを指します。)
健康保険の扶養から外れる収入金額ですが、向こう1年間に換算をして収入が「130万円以上(60歳以上の方は180万円以上)」の時となります。
この金額を超えてしまった時は、健康保険の扶養から外れてしまう可能性があります。
不動産の売却では決して珍しい金額ではないため、外れたくない方は注意が必要です。
なお、健康保険につきましては、向こう1年間の収入が「130万円以上(60歳以上の方は180万円以上)」となっても、継続的な収入でない場合は扶養から外れなくてもいいことが多いようです。
不動産の売却による収入は一時的な収入と見なされることが多く、これは保険組合の規定によって異なります。
そのため、ご自身での判断が難しい方は、一度保険組合に相談を行う必要があります。
以上が、健康保険の扶養を外れる収入の金額についてとなります。
今度は、実際に税金の扶養から外れてしまった時の経済的損失についてご説明致します。
税金の扶養を外れた時の損失
税金の扶養から外れることによる経済的損失は、扶養者の方の増税額を計算することで求めることができます。
一般的に、増税額は「受けられなくなる控除額×扶養者の方の税率」で算出をすることができます。
そのため、扶養者の方の課税所得金額、扶養による控除額、扶養者の方の税率をご存知の方は、すぐに算出をすることが可能です。
どちらの数字もご存知ないという方は、下記の手順で計算をしていくことになります。
- 売却をする前の所得税と住民税の控除額を調べる
- 売却をした後の所得税と住民税の控除額を調べる
- 扶養者の方の課税所得の金額を調べる
- 扶養者の方の課税所得から税率を調べて増税額を計算する
それでは、実際に不動産の売却によって扶養から外れることで、税金にどの程度の経済的損失があるのかを計算していきます。
ご主人(扶養者)の年収が「700万円(給与による収入)」、配偶者の方(被扶養者)のパートの年収が「80万円」、不動産の収入が「3,000万円(被扶養者の方が売却)」として計算を行います。
それでは、まず売却をする前の所得税と住民税の控除額の調べ方についてご説明致します。
売却をする前の税金の控除額
扶養に入るためには、年間の合計所得金額が一定の金額以下でなければいけません。
専業主婦で他に所得がない方の年間の合計所得金額は「0円」、何かしらの所得がある主婦の方の年間の合計所得金額は「全ての所得を合算した金額」となります。
専業主婦の方は所得がないことから、「配偶者控除」が適用をされていると考えられ、特に特別な計算を行う必要はありません。
問題は年間に所得のある方で、パートなどをしていらっしゃる主婦の方は、年間の合計所得金額を算出して、適用をされている控除額を求める必要があります。
今回は、パートの年収が「80万円」という設定ですので、実際に給与所得を計算して控除額を調べていきます。
給与所得は「給与収入-給与所得控除-給与所得者の特定支出控除」を計算することで、算出をすることができます。
給与所得控除の金額につきましては、下記の表の通りとなります。
年間の給与収入 | 給与所得控除額 |
---|---|
180万円以下 | 収入金額×40% (最低65万円に設定) |
180万円超 360万円以下 |
収入金額×30%+18万円 |
360万円超 660万円以下 |
収入金額×20%+54万円 |
660万円超 1,000万円以下 |
収入金額×10%+120万円 |
1,000万円超 1,500万円以下 |
収入金額×5%+170万円 |
1,500万円超 | 254万円 |
上記の表から、パートの年収が「80万円」の時は、「80万円×40%=32万円」と給与所得控除の金額を計算することができます。
ただし、給与収入が「180万円」以下の時は、最低でも給与所得控除は「65万円」になりますので、この場合は「32万円」ではなく「65万円」を適用します。
そして、これを当てはめて、給与所得者の特定支出はないものとして計算を行いますと「80万円-65万円=15万円」となり、他に所得がなければ年間の合計所得金額は「15万円」と算出ができます。
この結果から、年間の合計所得金額が「38万円以下」ですので、パートの年収が「80万円」の方は、不動産を売却する前には「配偶者控除」を適用されていると考えられます。
「配偶者控除」を適用されているということは、控除額は年間で所得税は「38万円」、住民税は「33万円」となります。
パートによる収入が多く、年間の合計所得金額が「38万円」を超えていらっしゃる方でも、年間の合計所得金額が「76万円未満」であれば「配偶者特別控除」を適用されている可能性があります。
下記の表に「配偶者特別控除」の控除額について記載をしておりますので、ご存知のない方は参考にしてください。
合計所得金額(年間) | 所得税計算時の控除額 | 住民税計算時の控除額 |
---|---|---|
38万円超 40万円未満 |
38万円を控除 | 33万円を控除 |
40万円以上 45万円未満 |
36万円を控除 | 33万円を控除 |
45万円以上 50万円未満 |
31万円を控除 | 31万円を控除 |
50万円以上 55万円未満 |
26万円を控除 | 26万円を控除 |
55万円以上 60万円未満 |
21万円を控除 | 21万円を控除 |
60万円以上 65万円未満 |
16万円を控除 | 16万円を控除 |
65万円以上 70万円未満 |
11万円を控除 | 11万円を控除 |
70万円以上 75万円未満 |
6万円を控除 | 6万円を控除 |
75万円以上 76万円未満 |
3万円を控除 | 3万円を控除 |
76万円以上 | 0円を控除 | 0円を控除 |
これで、「配偶者特別控除」の控除額を知ることができます。
以上が、売却をする前の所得税と住民税の控除額の調べ方についてとなります。
次は、売却をした後の所得税と住民税の控除額の調べ方についてご説明致します。
売却をした後の税金の控除額
不動産を売却した後に受けられる控除額は、譲渡所得の金額によって変わります。
不動産を売却して譲渡所得が出た場合は、専業主婦の方は「不動産の譲渡所得」、何かしらの所得がある主婦の方は「全ての所得を合算した金額+不動産の譲渡所得」が年間の合計所得金額となります。
本来は、「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除」で不動産の譲渡所得を求めますが、扶養に入れるか判定をする時には、こちらで求められた金額を用いません。
例えば、マイホームを売却した場合は、一定の条件を満たせば「3,000万円の特別控除」を適用することが可能です。
「3,000万円の特別控除」を適用した場合、譲渡所得から「最高3,000万円」までを控除することができます。
設定では不動産を売却したことによって「3,000万円」を得ておりますので、上記の式で計算を行っていきますと、特別控除だけで譲渡所得を「0円」にすることが可能です。
これで、扶養から外れることはないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、扶養に入れるか判定をする時には、この特別控除を適用していない段階の譲渡所得を用います。
そのため、「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)」で求められた譲渡所得が判定の際に必要となりますので、この点にはご注意ください。
特別控除は節税には効果があるのですが、扶養は譲渡所得が一定の金額を超えていれば、どちらにしても外れる必要があるということになります。
それでは、これらのことを踏まえて、設定上の不動産の譲渡所得の計算を行っていきます。
今回は、不動産の収入が「3,000万円」と設定をしておりますので、譲渡価額は「3,000万円」です。
この場合、「3,000万円-(取得費+譲渡費用)」となり、取得費と譲渡費用が「3,000万円以上」かかった時には、譲渡所得は出なかったということになります。
仮に、取得費と譲渡費用の合計を「2,970万円」とした場合は、「3,000万円-2,970万円」となり、譲渡所得は「30万円」と算出をすることができます。
取得費と譲渡費用の合計を「2,700万円」とした場合は、「3,000万円-2,700万円」となり、譲渡所得は「300万円」と算出をすることができます。
譲渡所得が「30万円」となった時は、専業主婦の方の年間の合計所得金額は「30万円」、パートをしていらっしゃる主婦の方の年間の合計所得金額は「給与所得+30万円」と見なされます。
専業主婦の方は年間の合計所得金額が「38万円以下」ですので、扶養から外れることはなく「配偶者控除」を適用できます。
パートをしていらっしゃる主婦の方は、給与所得によって控除額が変わってしまいますので、年間の合計所得金額を計算していかなくてはいけません。
今回は、パートの年収を「80万円」としているため、「15万円(給与所得)+30万円(不動産の譲渡所得)=45万円」と算出をすることができ、年間の合計所得金額は「38万円超76万円未満」と見なされますので、不動産を売却した後には「配偶者特別控除」を適用できると考えられます。
譲渡所得が「300万円」となった時は、専業主婦の方の年間の合計所得金額は「300万円」、パートの年収が「80万円」の主婦の方の年間の合計所得金額は「15万円(給与所得)+300万円=315万円」と見なされ、どちらも扶養から外れることになります。
以上が、売却をした後の所得税と住民税の控除額の調べ方についてとなります。
次は、扶養者の方の課税所得の金額の調べ方についてご説明致します。
扶養者の方の課税所得の金額
扶養から外れた時の増税額を算出するには、扶養者の方の税率を調べなくてはいけません。
税率を調べるには、扶養者の方の課税所得の金額を算出する必要があります。
扶養者の方の課税所得の金額を求めるためには、最初に所得金額を算出します。
更に、その後に「算出をした所得金額-各種所得控除」で算出をした金額が、課税所得の金額となります。
今回は、ご主人の年収が「700万円」で全て給与所得によるものと設定をしておりますので、まずは所得金額から算出をしていきます。
給与所得は、「給与収入-給与所得控除-給与所得者の特定支出控除」で求めることができます。
ご主人の給与所得控除の金額も、「売却をする前の税金の控除額」にあります「給与所得控除の金額について(平成27年時点)の表」から算出をすることが可能です。
ご主人の年収は「700万円」ですので、「700万円×10%+120万円=190万円」となり、所得控除金額は「190万円」と算出をすることができます。
給与所得者の特定支出はなかったものとし、算出をした給与所得控除から所得金額を計算しますと、「700万円-190万円=510万円」となります。
ここから今度は課税所得の金額を計算しますが、こちらは家族構成や保険の加入状態などによって個人差があります。
そのため、「510万円-各所得控除」となり、今回は課税所得の金額が「330万円超695万円以下」の範囲であると算出ができたと仮定をします。
以上が、扶養者の方の課税所得の金額の調べ方についてとなります。
これで、計算に必要な情報が揃いましたので、次は扶養から外れた時の増税額の計算方法についてご説明致します。
扶養から外れた時の増税額
課税所得が計算をできましたら、今度は扶養者の方の税率を調べていきます。
まず、住民税の税率ですが、住民税は一律「10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)」ですので、こちらは課税所得の金額によって税率に変化はありません。
こちらは「所得割」と呼ばれており、課税所得によって納める税金額が変わります。
なお、住民税は他に「均等割」が存在をし、こちらは課税所得によって税金額が増えません。
そのため、不動産の売却によって増える税金額につきましては、「所得割」の部分の計算をすることで求めることができます。
次に、所得税の税率ですが、所得税は課税所得によって税率が異なり、住民税のように一律ではありません。
そのため、増税額を算出するには、ご自身の課税所得にはどの税率が適用をされるのかを調べる必要があります。
所得税の税率につきましては、下記の表の通りとなります。
年間の合計所得金額 | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 税率は5% |
195万円超 330万円以下 |
税率は10% |
330万円超 695万円以下 |
税率は20% |
695万円超 900万円以下 |
税率は23% |
900万円超 1,800万円以下 |
税率は33% |
1,800万円超 4,000万円以下 |
税率は40% |
4,000万円超 | 税率は45% |
上記の表から、課税所得の金額が「330万円超695万円以下」の範囲であれば、所得税の税率は「20%」であると求めることができます。
増税額は「受けられなくなる控除額×扶養者の方の税率」で算出をできるため、これから不動産の譲渡所得が「30万円」と「300万円」の場合の計算を行ってみます。
パートの年収が「80万円」の方は、他に所得がなければ「配偶者控除」が受けられます。
それに伴い、どちらも不動産を売却する前は「配偶者控除」を適用しているという前提で計算を行います。
まず、不動産の譲渡所得が「30万円」の時ですが、こちらは先程パートの年収が「80万円」ある主婦の方は、年間の合計所得金額が「45万円」になると計算ができております。
年間の合計所得金額が「45万円」であるということは、不動産を売却した後も「配偶者特別控除」により、「31万円」の所得税と住民税の控除を受けられます。
これらのことから、所得税の増税分は「7万円(38万円-31万円)×20%=14,000円」と算出ができます。
住民税の増税分も税率に「10%」を当てはめ、同様に計算を行いますと「2万円(33万円-31万円)×10%=2,000円」と算出ができます。
これらを合算しますと「14,000円+2,000円=16,000円」となり、この金額が扶養者の方の増税額となります。
次に、不動産の譲渡所得が「300万円」の時ですが、こちらは先程パートの年収が「80万円」ある主婦の方は、年間の合計所得金額が「315万円」になると計算ができております。
年間の合計所得金額が「315万円」であるということは、不動産を売却した後は「配偶者控除」も「配偶者特別控除」も適用をすることはできなくなります。
これらのことから、所得税の増税分は「38万円(38万円-0円)×20%=76,000円」と算出ができます。
住民税の増税分も税率に「10%」を当てはめ、同様に計算を行いますと「33万円(33万円-0円)×10%=33,000円」と算出ができます。
これらを合算しますと「76,000円+33,000円=109,000円」となり、この金額が扶養者の方の増税額となります。
このように、受けられる控除額が減ってしまうほど、増税額は大きくなっていきます。
これだけ差があるものですので、不動産の売却によって扶養から外れる可能性のある方は、事前に確認をしておくほうが無難かもしれません。
以上が、扶養から外れた時の増税額の計算方法についてとなります。
今度は、実際に健康保険の扶養から外れてしまった時の経済的損失についてご説明致します。
保険の扶養を外れた時の損失
被扶養者の方は健康保険の扶養から外れることにより、国民健康保険と国民年金に切り替えを行います。
そのため、健康保険の扶養から外れることによる経済的損失は、発生をする国民健康保険料と年金保険料を計算することで求めることができます。
それでは、実際に不動産の売却によって扶養から外れることで、どの程度の経済的損失があるのかを計算していきます。
こちらも、税金の扶養の時と同じく、ご主人(扶養者)の年収が「700万円(給与による収入)」、配偶者の方(被扶養者)のパートの年収が「80万円」、不動産の収入が「3,000万円(被扶養者の方が売却)」として計算を行います。
なお、保険の加入状態につきましては、ご主人は社会保険に加入をしており、配偶者の方(年齢は40歳から64歳の範囲)のみが扶養から外れる影響で、国民健康保険に加入をしなければならないという設定のもと金額を算出していきます。
それでは、まず健康保険料の金額の計算方法についてご説明致します。
健康保険料の金額の計算方法
国民健康保険に切り替えを行うことにより、今まで被扶養者だった方は健康保険料がかかるようになります。
国民健康保険は世帯で加入人数が増えれば、その分健康保険料が高くなってしまいます。
また、国民健康保険は世帯の加入者の総所得によって健康保険料が変わってしまうため、不動産の売却によっても影響を受けます。
国民健康保険の料率や計算方法などはお住いの地域によって異なり、同じ所得の方でも必ず健康保険料が同じになるとは限りません。
一般的には、「基礎(医療)分+支援金分+介護分(40歳から64歳の方のみ)」の金額を計算することにより、健康保険料を算出できます。
「基礎(医療)分」、「支援金分」、「介護分」の金額を求めるには、それぞれで「所得割」、「均等割」、「平等割」、「資産割」などの金額を合算しなくてはいけません。
ここでは、東京都の中でも人口の多い世田谷区を例にして健康保険料を算出していきます。
東京都世田谷区の場合は、「基礎(医療)分」、「支援金分」、「介護分」の金額を「所得割額+均等割額」で算出することが可能です。
東京都世田谷区の国民健康保険の料率は、下記の表の通りです。
区分 | 所得割額 | 均等割額 | 最高 限度額 |
---|---|---|---|
基礎(医療)分 | 加入者全員の賦課基準額×6.45% | 加入者数×33,900円 | 52万円 |
支援金分 | 加入者全員の賦課基準額×1.98% | 加入者数×10,800円 | 17万円 |
介護分 | 40~64歳の方の加入者全員の賦課基準額×1.50% | 40~64歳の方の加入者数×14,700円 | 16万円 |
「賦課基準額」は、「前年の加入者の総所得金額-基礎控除33万円」で求めることができます。
1人の方に複数所得がある場合は、その合計額が前年の総所得金額となります。
また、1人の方に複数所得がある場合は、合計額から一度だけ基礎控除の「33万円」を引きます。
万が一、特別控除を適用していらっしゃる場合は、適用後の金額を前年の総所得金額に含めます。
特別控除を適用して不動産の譲渡所得が「0円」になった場合は、前年の総所得金額に譲渡所得を含める必要はありません。
「配偶者控除」や「配偶者特別控除」を適用できるか判断をする際には、特別控除を適用する前の譲渡所得が関係をしていましたが、国民健康保険料を計算する時には控除を行った後の金額が関係をするという点にご注意ください。
以上が、健康保険料の金額の計算方法についてとなります。
次は、これらを踏まえて、税金の時と同様に、不動産の譲渡所得が「30万円」と「300万円」の時の健康保険料の計算方法についてご説明致します。
それでは、まず不動産の譲渡所得が「30万円」の時の健康保険料の計算方法についてご説明致します。
譲渡所得が「30万円」の場合
前年(平成26年度)に不動産の売却を行い、譲渡所得が「30万円」の時の国民健康保険料の金額を計算します。
本来、最初に配偶者の方の前年の総所得金額(年間の合計所得金額)を算出していきますが、今回は既に税金の扶養の経済的損失を計算した際に、「45万円」と求めることができております。
(詳しくは「売却をした後の税金の控除額」をご覧ください。)
そのため、今回はこちらの「45万円」を使い計算をしていきます。
前年の総所得金額が「45万円」であるということは、「45万円-33万円(基礎控除)」で「賦課基準額」を求めることができます。
これを計算しますと「12万円」と算出をすることができ、これが「賦課基準額」となります。
今回の設定では、ご主人は社会保険に加入をしており、配偶者の方のみが国民健康保険に加入をするということになっております。
そのため、世帯の中で国民健康保険への加入が必要なのは配偶者の方のみですので、これで「加入者全員の賦課基準額」と「40~64歳の方の加入者全員の賦課基準額」を求めることができました。
今度は、実際に「賦課基準額」から国民健康保険料を計算していきます。
不動産の譲渡所得が「30万円」の場合の各計算式と合計金額につきましては、下記の表の通りとなります。
区分 | 所得割額 | 均等割額 | 合計 |
---|---|---|---|
基礎(医療)分 | 33,900円 (12万円×6.45%) |
1人×33,900円 | 41,640円 |
支援金分 | 2,376円 (12万円×1.98%) |
1人×10,800円 | 13,176円 |
介護分 | 1,800円 (12万円×1.50%) |
1人×14,700円 | 16,500円 |
国民健康保険料はこれらを全て合算した金額となるため、上記の表から「41,640円+13,176円+16,500円=71,316円」と算出をすることができます。
この結果から、不動産の譲渡所得が「30万円」、年間の合計所得金額が「45万円」の場合は、今年に年間で「71,316円」の国民健康保険料がかかるということになります。
世帯の所得が低ければ国民健康保険料の支払金額は軽減をされますが、今回はご主人に年収が「700万円」ありますので、軽減をされることはありません。
国民健康保険料が軽減をされる基準は、世帯で国民健康保険に加入をしていらっしゃる方の総所得金額ではなく、世帯全体の総所得金額から判定をされます。
万が一、ご主人に所得がなく、世帯の総所得が「45万円」という場合には、国民健康保険料が軽減をされる可能性があります。
世帯自体が低所得であり、国民健康保険料を軽減したいと考えていらっしゃる方は、一度お住いの地域の区役所や市役所などにご相談ください。
以上が、不動産の譲渡所得が「30万円」の時の健康保険料の計算方法についてとなります。
次は、不動産の譲渡所得が「300万円」の時の健康保険料の計算方法についてご説明致します。
譲渡所得が「300万円」の場合
こちらも、前年(平成26年度)に不動産の売却を行い、譲渡所得が「300万円」の時の国民健康保険料の金額を計算します。
今回も、既に前年の総所得金額(年間の合計所得金額)は、「売却をした後の税金の控除額」にて「315万円」と求めることができております。
前年の総所得金額が「315万円」であるということは、「315万円-33万円(基礎控除)」で「賦課基準額」を求めることができます。
これを計算しますと「282万円」と算出をすることができ、これが配偶者の方の「賦課基準額」となります。
不動産の譲渡所得が「300万円」の場合も、国民健康保険への加入が必要なのは配偶者の方のみですので、これで「加入者全員の賦課基準額」と「40~64歳の方の加入者全員の賦課基準額」を求めることができました。
それでは、実際に「賦課基準額」から、不動産の譲渡所得が「300万円」の場合の国民健康保険料を計算していきます。
不動産の譲渡所得が「300万円」の場合の各計算式と合計金額につきましては、下記の表の通りとなります。
区分 | 所得割額 | 均等割額 | 合計 |
---|---|---|---|
基礎(医療)分 | 181,890円 (282万円×6.45%) |
1人×33,900円 | 215,790円 |
支援金分 | 55,836円 (282万円×1.98%) |
1人×10,800円 | 66,636円 |
介護分 | 42,300円 (282万円×1.50%) |
1人×14,700円 | 57,000円 |
国民健康保険料はこれらを全て合算した金額となるため、上記の表から「215,790円+66,636円+57,000円=339,426円」と算出をすることができます。
この結果から、不動産の譲渡所得が「300万円」、年間の合計所得金額が「315万円」の場合は、今年に年間で「339,426円」の国民健康保険料がかかるということになります。
このように、不動産の譲渡所得が増えるにつれて、国民健康保険料は高くなりますので、売却によって大きな利益が見込める方は特に注意が必要です。
一応、最高限度額が定められておりますが、「基礎(医療)分52万円+支援金分17万円+介護分16万円=85万円」と一般的に見れば非常に高額となっております。
また、今回は配偶者の方の総所得が「315万円」ありますので、例えご主人に所得がなくても国民健康保険料は軽減をされません。
以上が、不動産の譲渡所得が「300万円」の時の健康保険料の計算方法についてとなります。
今度は、年金保険料の支払金額についてご説明致します。
年金保険料の金額の計算方法
国民年金の年金保険料は、健康保険料とは異なり、毎月定額を納付していくことになります。
国民年金に加入をした月から納付をしなくてはいけないため、支払いを滞納しないように注意が必要です。
また、国民年金保険料は毎年変更をされるため、その年の納付金額を確認しなくてはいけません。
平成27年度(平成27年4月から平成28年3月まで)の国民年金保険料は、「月々15,590円」となっております。
そのため、支払う国民年金保険料の合計金額は、平成27年度では「15,590円×支払いが必要になる月数」で算出をすることができます。
定額を納付するため、税金や国民健康保険料の経済的損失の時のように、多くの計算をしていく必要はありません。
例えば、平成27年の「4月」に国民年金に加入を行い、平成27年の「7月」に国民年金をやめた場合、支払いが必要になるのは「4月」、「5月」、「6月」です。
そのため、支払いが必要になる月数は「3ヶ月」となり、「15,590円×3ヶ月」で算出をすることができます。
これを計算しますと「46,770円」と算出をすることができ、「3ヶ月」だけでも数万円以上の支払いが必要になります。
扶養から外れてしまった時は、扶養から外れて国民年金に加入をした月から、扶養に再加入をして国民年金をやめた月の前月まで支払いが発生をします。
月数が多ければ多いほどに支払金額は大きくなるため、再加入が可能であれば、すぐに扶養に入ったほうが経済的損失は少なくなります。
以上が、年金保険料の支払金額についてとなります。
こういったデメリットを回避するためには、不動産の売却を行っても扶養から外れないようにすることが大切です。
今度は、扶養から外れないための対策についてご説明致します。
控除を受けるための対策
扶養から外れてしまうと、多くの経済的損失があります。
やはり、せっかく不動産を売却しても、扶養から外れることによる損失が目立つようでは意味がありません。
そういった時には、対策をすることで扶養から外れることなく、不動産の売却を行うことが可能です。
主な対策としては、名義を変更してから売却を行うという方法が挙げられます。
不動産には名義があり、これが被扶養者の方では、売却による所得が入ってしまいます。
不動産の譲渡所得を被扶養者の方のものにしないためには、名義を変更して売却をすればいいということになります。
不動産の名義を変更することにより、土地や建物の所有権を他の方に渡すことができます。
そうしますと、不動産の譲渡所得はご自身に入らず、名義を変更した方に入ることになります。
どうしても、扶養から外れたくない方や外れることによって大きな損失がある方は、名義変更をすることを考えてみてください。
しかし、名義を変更する時には幾つかのメリットとデメリットがあります。
そのため、ご自身にデメリットが多いようでしたら、名義を変更しないままで売却を行ってください。
それでは、まず名義を変更するメリットについてご説明致します。
名義を変更するメリット
不動産の名義を被扶養者の方から扶養者の方などに変更をすることにより、どのようなメリットがあるのかご説明致します。
不動産の名義を変更した場合の最大のメリットは、被扶養者の方の所得でなくなるため、扶養から外れる心配がないという点です。
例えば、主婦の方がご主人の名義に変更をして不動産を売却すれば、譲渡所得が発生をしても名義人のものと見なされます。
その影響により、通常通りご主人の扶養に入りながら、不動産の売却を行うことができるようになります。
扶養者の方が売却を行ったことで、税金や健康保険料、年金保険料が上がる心配もありません。
不動産の譲渡所得は分離課税で、給与所得などとは分離をして課税をされます。
そのため、不動産の譲渡所得だけで税金を計算するため、扶養者の方が売却を行っても給与所得などの税金に影響はありません。
健康保険料につきましても、扶養者の方が社会保険か共済保険のどちらかに加入をしていれば、影響を受けることはありません。
社会保険と共済保険は標準報酬月額(加入者の給料をもとに決定)に保険料率をかけて健康保険料を算出しますので、不動産の売却による所得は影響を受けないという特徴があります。
年金保険料も健康保険料と同様のことが言えますので、不動産の売却による影響を受けることはありません。
以上が、名義を変更するメリットについてとなります。
これだけを見ると、名義を変更したほうがいい、と感じられる方が多いかもしれません。
しかし、名義の変更にはデメリットもありますので、状況に合わせてご自身でどうするべきかを判断する必要があります。
それでは、次は名義を変更するデメリットについてご説明致します。
名義を変更するデメリット
次は、名義を変更することにより、どのようなデメリットがあるのかご説明致します。
不動産の名義変更をした時のデメリットですが、法的な手続きが必要になり、手続きの種類によっては税金がかかってしまうという点が挙げられます。
夫婦の間で不動産の名義を変更するにしても、きちんと法的な手続きを行わなくてはいけません。
法務家の方に依頼をしなくても手続きを行うことは可能ですが、やはり個人で行うことは難しいようです。
また、行う手続きの種類によっては別途に税金がかかることもあり、法的な知識がない状態では1から勉強をする必要があります。
法務家の方に手続きをお願いすれば、ある程度デメリットを解消できますが、この際には別途に相談料などがかかります。
以上が、名義を変更した時のデメリットについてとなります。
利益が出たほうがいいと考える方や扶養から外れないほうがいいと考える方など、個人によって重視をする点は異なります。
まずは、どういった面を重視するのか考えて、後に後悔をしないほうを選択することが大切です。