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不動産売却の際に必要な税金である印紙税の金額と3つの注意点

      2017/06/27

不動産を売却する際には、売買の活動に伴い様々な支出が必要となることが想定されます。

その中には、「消費税」「譲渡税」「印紙税」などといった税金も含まれます。

これらの金額は、それぞれ実際に行われた売買金額によって変わりますので、全ての方が同じ金額を支払う訳ではありません。

現在の消費税は不動産の売買価格の「8%」、譲渡税は所有期間により税率が異なるのが一般的です。

印紙税も実際の不動産の売買価格により、その金額を割り出します。

その際の金額は時に数十万円となる場合もありますので、必要な支出として事前に把握をしておくことが大切です。

不動産売買時に印紙税の納付を怠ってしまった場合、後に様々なペナルティの対象となります。

不動産を売却した後の利益を少しでも増やすためには、このような無駄な出費を抑えることも必要です。

このページでは、このような不動産売買時の印紙税の詳細についてご説明致します。

目次

印紙税の納付が必要な20の文書

印紙税は、印紙税法で定められた課税文書に対して課される税金です。

課税文書とは、次の3つの全ての条件に当てはまる文書となります。

  1. 印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
  2. 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
  3. 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。

課税文書の第1号文書から第20号文書の種類は、下記のようになります。
(不動産売却時に関係がある可能性の高い部分は赤い文字となっております)

【印紙税の納付が必要な課税文書】

第1号文書
  • 不動産、鉱業権、無体財産権、船舶、航空機又は営業の譲渡に関する契約書
  • 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書
  • 消費貸借に関する契約書
  • 運送に関する契約書(用船契約書を含む)
第2号文書
  • 請負に関する契約書
第3号文書
  • 約束手形又は為替手形
第4号文書
  • 株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、貸付信託、特定目的信託、若しくは受益証券発行信託の受益証券
第5号文書
  • 合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書
第6号文書
  • 定款
第7号文書
  • 継続的取引の基本となる契約書
第8号文書
  • 預金証書、貯金証書
第9号文書
  • 貨物引換証、倉庫証券、船荷証券
第10号文書
  • 保険証券
第11号文書
  • 信用状
第12号文書
  • 信託行為に関する契約書
第13号文書
  • 債務の保証に関する契約書
第14号文書
  • 金銭又は有価証券の寄託に関する契約書
第15号文書
  • 債権譲渡又は債務引受けに関する契約書
第16号文書
  • 配当金領収証、配当金振込通知書
第17号文書
  • 売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書
  • 売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書
第18号文書
  • 預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険料通帳
第19号文書
  • 消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預り通帳、金銭の受取通帳などの通帳
第20号文書
  • 判取帳

これらの文書は、課税文書とみなされ印紙税が必要となるのが一般的です。

上記の赤い文字部分の課税文書につきましては、次の項目で詳しくご説明致します。

不動産の譲渡に関する契約書

不動産を売買する際には、ほぼ不動産売買契約書の作成を行います。

先程、記載しました第1号文書には、「不動産の譲渡に関する契約書」との記載がありました。

これは、この「不動産売買(譲渡)契約書」に該当します。

課税文書である契約書などの作成が行われた際には、印紙税の納付を忘れずに行うことが大切です。

不動産の売買代金は高額となりやすく、それに伴い印紙税の金額も高騰しやすくなります。

印紙税の納付額は、売買契約書に記載がされた金額を基に価格を割り出します。

不動産の売買価格にもよりますが、最低で200円、最高で48万円程度の印紙税が必要です。
(上記の金額は軽減税率が適用される前の金額です)

不動産売買契約書の印紙税の軽減措置は、平成26年4月1日から平成30年3月31日まで(平成29年時点)となりますので、事前に確認した上で納付を行うことが大切です。

不動産売買契約書などに貼付が必要な印紙税額につきましては、お手数をお掛け致しますが、「不動産を売却する際に必要になる各費用の計算方法と合計金額」の記事にあります「必要になる印紙税額について」の項目をご覧ください。

なお、不動産売買契約書の印紙代は、
「売主の方と買主の方が半額負担する」
「買主の方のみが納付する」
などといったケースが多いため、事前に買主の方と確認をしておく必要があります。

印紙代の負担に関する説明につきましては、同ページの「契約書の原本とコピーの印紙税」で記載しておりますので、お手数をお掛け致しますがそちらをご覧ください。

地上権又は土地の譲渡に関する契約書

借地権を譲渡する際には、その譲渡に関する「借地権譲渡契約書」が取り交わされるのが一般的です。

課税文書の第1号文書には、「地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書」との記載がありました。

これは、前述の「借地権譲渡契約書」に該当します。

借地権譲渡契約書に必要な印紙税額も、基本的に契約書の記載金額を基に割り出します。
(こちらも必要な印紙税額に対して軽減税率を受けることができます)

借地権譲渡契約書などに貼付が必要な印紙税額につきましては、お手数をお掛け致しますが、「不動産を売却する際に必要になる各費用の計算方法と合計金額」の記事にあります「必要になる印紙税額について」の項目をご覧ください。

なお、借地権譲渡契約書の印紙代も、
「売主の方と買主の方が半額負担する」
「買主の方のみが納付する」
などといったケースが多いため、事前に買主の方と確認をしておくようにしてください。

印紙代の負担に関する説明につきましては、同ページの「契約書の原本とコピーの印紙税」で記載しておりますので、お手数をお掛け致しますがそちらをご覧ください。

消費貸借に関する契約書

不動産を売却する際には、それと共に新たな不動産を購入することも珍しくありません。

不動産売却前、売却後のどちらで新たな不動産を購入するかは売主の方の自由です。

新たな不動産を購入するとなると、それ相応の資金が必要となります。

その金額は高額となる場合が殆どであり、通常は住宅ローンなどを組むこととなります。

住宅ローンなどの消費賃借では、それらの詳細を記載した「金銭消費貸借契約書」などの作成が行われるのが一般的です。

これは、前述の第1号文書の「消費貸借に関する契約書」に該当します。

課税文書に該当するということは、それ相応の印紙税が必要になるということです。

金銭消費貸借契約書などに貼付が必要な印紙税額につきましては、お手数をお掛け致しますが、「不動産を売却する際に必要になる各費用の計算方法と合計金額」の記事にあります「必要になる印紙税額について」の項目をご覧ください。

なお、金銭消費貸借契約書の印紙代につきましては、不動産売買契約書や借地権譲渡契約書などと違い、
「売主の方が全額を負担」
する場合が殆どです。

売主の方が組んだ住宅ローンは買主の方には関係がありませんので、買主の方が負担をすることは通常はありません。

請負に関する契約書(工事など)

不動産を売却する際には、不動産に対してリフォームやリノベーションを行うこともあります。

ご自身で工事を行うというケースもあれば、専門業者などに工事を依頼するというケースもあります。

専門業者に工事を依頼する場合、依頼先と依頼主の間で工事に関する「工事請負契約書」などが取り交わされるのが一般的です。

この契約書は、前述の第2号文書の「請負に関する契約書」に該当します。

課税文書に該当するということは、その記載金額に応じた印紙税の納付が必要になります。

工事請負契約書などに必要な印紙税額につきましては、お手数をお掛け致しますが、「不動産を売却する際に必要になる各費用の計算方法と合計金額」の記事にあります「必要になる印紙税額について」の項目をご覧ください。

なお、工事請負契約書の印紙代も、基本的に買主の方には関係のない費用です。

その影響で、これらの費用も
「売主の方が全額を負担」
することになるのが通常ですので、工事の際には印紙代の出費も想定しておくことが大切です。
(買主の方の要望などで行われた工事の場合は買主の方が負担する場合もありますので、事前にご確認ください)

売上代金に係る金銭の受取書

不動産を売却する際には、不動産の売上代金に係る領収書などの作成が行われる場合もあります。

これらの領収書は、
「一般の個人が売主の場合」
「不動産会社などが売主の場合」
のどちらでも作成する可能性があります。

不動産の売却に関する領収書は、前述の第17号文書の「売上代金に係る金銭の受取書」に該当します。

領収書が課税文書であるということを忘れてしまうと、通常通りペナルティを受けることになりますので注意が必要です。

また売上代金に係る領収書が課税文書に該当するとはいえ、それには例外も存在します。

通常、不動産の売上代金に係る領収書などは課税文書に該当しますが、
営業に関しない受取書の場合は非課税となります。

これにより、個人がマイホームなどを売却した際の領収書は非課税となり、印紙税の納付は必要ないということになります。

マイホームやセカンドハウス以外の不動産を売却した際には印紙税が掛かる場合もありますので、その区別は慎重に行うことが大切です。

契約書の原本とコピーの印紙税

不動産売買において、不動産売買契約書などはほぼ確実に作成される書類です。

不動産売買契約書の作成は法的な義務ではありませんので、印紙代を節約したいなどの理由で作成を行わないという手段を取ることもできます。

しかし、不動産売買に関する契約書の作成を怠ったために、重大なトラブルに見舞われてしまうケースもあります。

後のトラブルを防止するためにも、契約書の作成を行っておくというのが通常です。

不動産の売買契約書は、主に下記の2パターンの作成方法があります。

  1. 契約書を2通作成し売主と買主の双方が保管する
  2. 契約書を1通作成し買主が原本を売主がそのコピーを保管する

本来は、上記の「1」の方法を選択するケースが多いようですが、「2」の方法を選択しても法的には何の問題もありません。

「1」と「2」のどちらの方法を選択するかによって、後の印紙税の課税金額なども変わってきます。

上記のどちらの方法を取るのかを決めるためには、契約書原本とコピーの課税について把握しておくことが必要です。

契約書原本とそのコピーの印紙税につきましては、下記で詳しくご説明致します。

なお、下記の印紙代の負担に関しては例外もありますので、事前に買主の方との意思の疎通を取っておくことが大切です。

原本への収入印紙の貼付の必要性

不動産の売買契約書などは、本来売主の方と買主の方が1通ずつ作成を行います。

この場合、合計で2通の契約書を作成することとなり、双方が契約書の原本を保有します。

課税文書は、例え同じ内容のものが複数作成されたとしても、その全てに課税されるのが通常です。

その影響で不動産売買契約書などを2通作成した場合、その2通それぞれに印紙税が課税されます。

契約書に掛かる印紙代は、保管する側が負担するというのが一般的です。

これにより売主の方と買主の方の双方が契約書の原本を保管する場合には、折半で必要な印紙代を負担するのが通常です。
(稀に売主の方や買主の方が印紙代を全額負担するというケースもあります)

よく不動産の売主側には印紙税が掛からないといったような話がありますが、これは契約書原本を2通作成しない場合の話になります。

不動産の売買契約書を作成する際には、原本の作成枚数とその印紙代について意識することが大切です。

コピーへの収入印紙の貼付の必要性

不動産売買時には、売主と買主の両方が契約書の原本を保管しなくてはいけないという決まりはありません。

売主と買主の同意がある場合には、不動産売買契約書の作成枚数を1通だけにすることもできます。

この場合契約書の原本は課税文書となりますが、そのコピーは課税文書とはなりません。

課税文書が1通で済むということは、印紙税も1通分のみしか掛からないということです。

不動産売買契約書などの原本とコピーの作成を行う場合、通常は原本を保管するほうが印紙代を負担します。

契約書の作成を1通とした際には、殆どの場合、原本は買主の方が保管することとなります。

売主の方は、そのコピー(写し)を貰い保管するのが一般的です。

その影響で多くの場合、売主の方は印紙税を負担する必要がなくなります。

不動産売買時に売主側に印紙代が掛からないというのは、こういった経緯がある場合の話になります。

不動産売買契約書などの原本が将来的に必要となる場合は好ましくありませんが、コピーで十分だという場合には印紙代を節約することができます。

つなぎ融資などといったサービスを利用したい場合でも、売買契約書の提示は写しなどで良い場合が殆どです。

売主の方の状況などにもよりますが、こういった手段があるということも視野に入れて契約書の作成を行うことが大切です。

納付に必要な収入印紙の購入方法

所得税や住民税などは、実際の金銭などで納付を行います。

印紙税は、実際の金銭などで納付を行う訳ではありません。

印紙税の納付を行うためには、紙幣や硬貨に代わり収入印紙というものが必要となります。
(収入印紙を使用する場合やそれ以外の印紙税の納付の方法につきましては、「印紙税の4つの納付方法」でご説明致しますので、お手数をお掛け致しますがそちらをご覧ください)

収入印紙の額面は、「1」~「100,000」までの31種類があり、必要に応じた額面を購入しておかなくてはなりません。

【額面の一覧】
収入印紙の額面一覧※クリックで拡大

現在、収入印紙は主に下記のような場所で購入することができます。

【収入印紙が購入できる場所の例】

上記の内、「金券ショップ」と「オークション」以外は、日本郵便会社が印紙の販売を委託している「印紙売りさばき所」ということになります。

なお、上記の購入場所の内いくつかは時と場合により、収入印紙を取り扱っていない可能性があります。

こういったそれぞれの購入場所の特徴などにつきましては、次の項目で詳しくご説明致します。

収入印紙を郵便局で購入

収入印紙を購入できる場所というと、郵便局を想像する方も多いかもしれません。

郵便局では切手と共に収入印紙の販売も行っているのが一般的です。

種類も豊富で、「4,000円」「20,000円」などといった特殊なものまで、全てを「非課税」で購入することができます。

収入印紙の在庫に関しても十分に管理がされている場合が殆どですので、在庫切れの心配もほぼありません。

ただ、郵便局で収入印紙を購入する際に問題となるのは、曜日や時間に制限があるということです。

多くの郵便局では、平日の窓口が利用できる時間内(通常は午前9時~午後5時)でしか、収入印紙を購入することができません。

一部では土曜日、日曜日にも窓口が開いている場合もありますが、これは大きな郵便局などに限られます。

時間に余裕がない場合には、郵便局以外で収入印紙を購入することも視野に入れておくことが必要です。

【郵便局で収入印紙を購入する際の主なメリット・デメリットまとめ】

メリット
  • 特殊な収入印紙まで揃っている
  • 欲しい収入印紙の在庫切れなどの心配が少ない
  • 収入印紙を購入した際の消費税が非課税
デメリット
  • 多くの場合平日の午前9時~午後5時までしか収入印紙の購入ができない

収入印紙を法務局で購入

収入印紙は、法務局で購入することもできます。
(収入印紙が売られている窓口がありますので、そちらから収入印紙を購入が可能です)

普段、法務局などに行く機会は多くありませんが、不動産売却をする際には様々な手続きなどで訪れる可能性があります。

登記や戸籍、公証などの事務手続きのついでに収入印紙を購入しておくのも手です。

法務局では「財産法人民亊法務協会」が印紙の売りさばきを受託しているため、ほぼ確実に額面「1」~「100,000」の全31種類の収入印紙を「非課税」で購入することができます。

ただ、法務局も郵便局と同様にいつでも窓口が開いている訳ではありません。

通常、法務局は平日の午前8時30分~午後5時15分の間しか業務を行っておりません。

この時間内に法務局に行かなくては、収入印紙が販売されている窓口も利用することができなくなってしまいます。

時間帯などが合わないという方は、郵便局と同様に、他の購入場所を探しておくことが必要です。

【法務局で収入印紙を購入する際の主なメリット・デメリットまとめ】

メリット
  • 特殊な収入印紙まで揃っている
  • 欲しい収入印紙の在庫切れなどの心配が少ない
  • 収入印紙を購入した際の消費税は非課税
デメリット
  • 多くの場合平日の午前8時30分~午後5時15分までしか収入印紙の購入ができない(土曜日、日曜日も不可)

収入印紙をコンビニで購入

収入印紙を購入する際に、郵便局や法務局などが閉まっていた場合には、コンビニに行くという手もあります。

これは印紙売りさばき所として登録されているコンビニに限定されますが、現在はかなり多くの店舗が対応をしております。

有名なチェーン店では、基本的に何処にでも売っていると考えて問題ないほど取扱店が多いです。

コンビニは年中無休24時間営業の場合が殆どですので、いつでも欲しい時に収入印紙の購入ができます。

また印紙売りさばき所として登録されているということで、非課税で収入印紙の購入が可能です。

ただ、コンビニなどで取り扱っている収入印紙は、よく利用される額面のみとなるのが一般的です。

多くのコンビニでは、額面が「200円」の収入印紙以外は置いていません。

その他の額面の収入印紙の購入をお考えの際には、コンビニでは購入できない可能性があります。

特に不動産などは高額な金額が動く場合が多いため、高額な収入印紙が欲しいことも珍しくありません。

そういった際には、コンビニ以外の場所で収入印紙を探す必要があります。

【コンビニで収入印紙を購入する際の主なメリット・デメリットまとめ】

メリット
  • 曜日や時間に関係なく収入印紙を購入することができる
  • 収入印紙を購入した際の消費税は非課税
デメリット
  • よく利用される収入印紙(額面が「200円」のものなど)以外は売られていない場合が多い

収入印紙をタバコ屋や雑貨屋で購入

タバコ屋さんや雑貨屋さんの中には、切手などを扱っている所があります。

切手を扱っているお店では、その看板に郵便のマークがついております。

その看板にある郵便マークの右には、「収入印紙」と書いてありますので、そのお店で収入印紙を購入できるということになります。

こういったタバコ屋さんや雑貨屋さんは各地に点在しており、土曜日、日曜日でも収入印紙の購入が可能です。

またこれらも印紙売りさばき所という位置付けとなるため、購入時の消費税は非課税となります。

ただ、タバコ屋さんや雑貨屋さんはコンビニなどの増加に伴い、その数が減ってきております。

その影響でお店自体が見つけ辛いため、事前に存在する店舗などを見つけていないと、探すのに苦労する可能性があります。

またお店自体を見つけたとしても個人商店であるため、取り扱っている収入印紙の種類がそれぞれのお店で大きく異なっていることも少なくありません。

多くの額面を取り扱っているお店もあれば、数種類のみの額面を取り扱っているお店もあります。

こういった影響でお店によっては、欲しい額面が手に入らない可能性があります。

タバコ屋さんや雑貨屋さんなどで収入印紙を購入する際には、購入できる額面の確認をしておくことが必要です。

【タバコ屋や雑貨屋で収入印紙を購入する際の主なメリット・デメリットまとめ】

メリット
  • 土曜日、日曜日でも収入印紙を購入することができる
  • 収入印紙を購入した際の消費税は非課税
デメリット
  • コンビニなどの影響で店舗数自体が減少してきている
  • それぞれの店舗で取り扱っている収入印紙の額面が異なる(欲しい額面がない可能性がある)

収入印紙を金券ショップで購入

金券ショップで売られている収入印紙は、多くが本来の額面よりも安い価格となっております。

ショップによっても異なりますが、大体1%~2%程度安い金額で売られていることが多いようです。

金券ショップで収入印紙を購入する場合には、消費税が掛かりますが、これはデメリットとはなりません。

何故なら、額面「200」の収入印紙を購入した際にその価格が「198円」であった場合、その「198円」は既に税込みの価格だからです。
【例】
額面「200」の収入印紙を「198円」で購入した場合
収入印紙の税抜き価格→「184円」
収入印紙に掛かった消費税→「14円」

これにより課税事業者の方は、金券ショップなどで収入印紙を購入することで、後の消費税の納税額を減らせる可能性があります。
(個人の方や消費税の免税事業者の方は関係ありません)

消費税込みで商品を購入するということは、その仕入れは「課税仕入」ということになります。

課税事業者の方の後の消費税の納税額は、
「課税売上」と
「課税仕入」
の消費税額の差額です。

課税仕入が行われた際に掛かった消費税は
「仮払消費税」
売上時などに預かった消費税は
「仮受消費税」
と呼ばれ、後に仮受消費税の金額から仮払消費税の金額を差し引くことができます。

【例】
額面「10,000」の収入印紙を金券ショップで「9,900円」で購入した場合
収入印紙の税抜き価格→「9,167円」
収入印紙に掛かった消費税→「733円(仮払消費税)

上記の「733円」は「仮払消費税」となり、「仮受消費税」から差し引けるため、その分後に納付が必要な消費税額を節約することができます。
(額面「10,000」の収入印紙を「9,167円(9,900円 – 733円)」で買えたということになります)

ただ、金券ショップなどでは特殊な額面の収入印紙が売られていない場合が多く、在庫も少ない可能性があるのが難点です。

また店舗数も少ないため、お店を近場で見つけることができない場合もあります。

見つかった場合でも、極稀に偽造品などが売られているケースもあるため、購入には細心の注意が必要です。

【金券ショップで収入印紙を購入する際の主なメリット・デメリットまとめ】

メリット
  • 本来の価格よりも1%~2%程度安い価格で購入できる場合がある
  • 後に納税する消費税を節約できる可能性がある(課税事業者のみ)
デメリット
  • 売られている収入印紙の種類や枚数に限りがある場合が多い
  • 金券ショップ自体の店舗数が少ない
  • 極稀に偽造品の収入印紙が売られている場合がある

収入印紙をオークションで購入

収入印紙を購入する際には、オークションなどを利用するという手もあります。

オークションは、多くの方が容易に利用できるサービスです。

その影響で、通常よりも安く収入印紙が出品されていることもあります。

出品されている収入印紙の種類も豊富な場合が多く、有効に活用すれば様々な収入印紙を安く落札できる可能性があります。

またオークションなどで収入印紙を購入した場合、金券ショップと同様に消費税が課税されます。

これにより課税事業者の方であれば、後の消費税を節税できる可能性があります。

収入印紙に課税がされた際にどうして節税になるのかにつきましては、お手数をお掛け致しますが、前述の「収入印紙を金券ショップで購入」の項目をご覧ください。

ただ、オークションを利用することにより、必ずしも安く収入印紙を手に入れることができるとは限りません。

オークションという特性上、落札者の入札金額や人数、送料などによって、想定以上に高額な価格となってしまう可能性もあります。

こうなると、最終的に元の価格よりも高い買い物となってしまう場合もあるため注意が必要です。
(場合よっては偽造品や使用済み商品などが出回っていることもあります)

更に落札してから商品の発送や配達に時間が掛かるため、すぐに手元に商品が届かないという点にも意識をしておく必要があります。

すぐに収入印紙が必要な場合には、オークションによる購入は適さないということを意識した上で利用することが大切です。

【オークションで収入印紙を購入する際の主なメリット・デメリットまとめ】

メリット
  • 本来の価格よりも安い価格で購入できる可能性がある
  • 後に納税する消費税を節約できる可能性がある(課税事業者のみ)
  • 出品されている収入印紙の種類が豊富な場合も多い
デメリット
  • 状況や送料などにより本来よりも高額な価格となってしまう可能性がある
  • 偽造品や使用済みの収入印紙が売られている場合がある
  • 発送や配達までに時間が掛かるためすぐに手元に届かない

不動産を売却した際の印紙税額

不動産の売買代金は高額となることも多く、必要となる印紙代が万単位となることもあります。

既に記載しましたが、課税文書などに係る印紙税額は、その文書に記載されている金額により決定します。

記載金額が多くなれば当然に印紙代も高額となりますので、ある程度その金額の把握をしておくと予算なども立てやすくなります。

現在は印紙税に対して軽減税率などが設けられておりますので、本来よりも少々安い税額となるのが通常です。

なお、印紙税の確認をする際によく判断に迷うのが、記載金額の消費税についてです。

印紙税を確認する際の記載金額は、
「税込み価格」
「税抜き価格」
のどちらを基にすれば良いのか分かり辛い場合もあります。

このような課税文書に係る記載金額の消費税につきましては、下記の項目で詳しくご説明致します。

課税される金額の消費税の有無

印紙税額は、課税文書の記載金額に対応した金額となります。

ここで注意が必要なのは、その記載金額は消費税を「含んだ金額」となるのか、「含まない金額」となるのかの区別です。

本来、課税文書に対して課せられる印紙税は、消費税を含んだ金額となるのが一般的です。

しかし、ある一定の課税文書に対しては例外も存在します。

下記の文書につきましては、
「消費税額等が区分して記載されている」
又は、
「税込価格及び税抜価格が記載されている」
ことによりその取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかである場合には、消費税額等を含めない金額で印紙税額を割り出すことができます。

【消費税額等を含めなくても良い課税文書】

  1. 第1号文書
  2. 第2号文書
  3. 第17号文書

上記の「第1号文書」「第2号文書」「第17号文書」の中で、不動産売買時に関係があるのは主に下記の文書です。

第1号文書
  • 不動産の譲渡に関する契約書(不動産売買契約書など)
  • 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書(借地権譲渡契約書など)
  • 消費貸借に関する契約書(金銭消費貸借契約書など)
第2号文書
  • 請負に関する契約書(工事請負契約書など)
第17号文書
  • 売上代金に係る金銭の受取書(不動産の売却に関する領収書など)

上記の文書に消費税額が明らかに記載してある場合には、消費税を抜いた価格を基に印紙税額を判断することができます。

「消費税額等を区分して記載されている」課税文書の例につきましては次の項目で詳しくご説明致します。

課税される金額の消費税の有無例

先程、「第1号文書」「第2号文書」「第17号文書」に消費税額が明らかに記載されている場合には、消費税を抜いた金額で印紙税額を判断できると記載しました。

この消費税額が明らかに記載されているというのは、具体的にどういった記載形式のことなのか、よく分からないという場合もあります。

課税文書に対して、
「その取引にあたって課せられる消費税等が具体的に記載されている状態」
というのは、
「契約書に明らかに消費税額が記載されている状態」
のことを指します。

下記は「消費税等が区分記載されているとみなされる契約書」と「消費税等が区分記載されていないみなされる契約書」のそれぞれの記載例です。

【例】

消費税等が区分記載されているとみなされる契約書
例1
請負金額 5,400万円
税抜価格 5,000万円
消費税額等 400万円
例2
請負金額 5,400万円(うち消費税等 400万円)
例3
請負金額 5,000万円
消費税等 400万円
合計 5,400万円
消費税等が区分記載されていないみなされる契約書
例1
請負金額 5,400万円(消費税および地方消費税を含む)
例2
請負金額 5,400万円(消費税等8%を含む)

上記「1」のような記載であれば税抜き価格である「5,000万円」
上記「2」のような記載であれば税込み価格である「5,400万円」
で印紙税の確認を行うことになります。

この金額で実際に印紙税額の確認を行いますと、
請負金額が「5,000万円」である場合には印紙税額は「1万円」
請負金額が「5,400万円」である場合には印紙税額は「3万円」
となり、2万円もの差が出てしまう計算になります。

不動産売買時の契約書などは、消費税の区分を具体的に記載したほうが印紙税を節約できる可能性があるということを意識しておくことが大切です。

不動産売却後に必要な印紙税の額

印紙税は、平成26年4月に改訂され新たな金額設定となりました。

現在の印紙税の金額は、平成30年3月31日まで(平成29年時点)同じ金額となります。

なお、印紙税の金額が改訂された際には、同時に特例税率も変更されました。

特例税率が改訂された影響で、以前よりも必要な印紙税額が低くなりました。

平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に作成された不動産などに係る課税文書は、
誰でもこの措置を受けることができます。

不動産を売却された際の印紙税額と軽減税率につきましては、お手数をお掛け致しますが、「不動産を売却する際に必要になる各費用の計算方法と合計金額」の記事にあります「必要になる印紙税額について」の項目をご覧ください。

印紙税の4つの納付方法

これまで印紙税の納付に関して収入印紙の説明を行ってきましたが、印紙税を納付する方法は収入印紙の貼り付け以外にも存在します。

印紙税を納付する際には、原則収入印紙を貼り付けるよう定められてはいますが、事前に申請などを行うことでその他の納付方法を取ることもできます。

特に印紙税の納付が頻繁である場合などは、その他の方法を選択するほうがスムーズに手続きを終えられる場合が殆どです。

印紙税の納付方法は、主に下記の4つがあります。

【印紙税の納付方法】

  1. 印紙の貼り付けによる方法
  2. 税印押なつによる方法
  3. 印紙税納付計器により納付印を押す方法
  4. 書式表示により納付する方法

各納付方法の説明につきましては下記でご説明致します。

印紙の貼り付けによる方法

印紙税を納付するためには、収入印紙を購入し課税文書に貼り付けるという方法を取るのが原則です。

不動産売買時には、様々な課税文書を作成する可能性がありますので、印紙税の納付を意識しておくことが必要です。

ここでよく聞かれるのが、収入印紙を課税文書のどの位置に貼り付ければ良いのかという点です。

収入印紙を貼る場所については、法律上で決まった定めはありません。

一般的には、「契約書の最初のページの左上部」に貼られる場合が多いようです。

領収書などの場合は、右下などに貼り付ける場合もありますので、大それた場所でなければ好きな場所に収入印紙を貼り付けて問題ありません。

また契約書などの書式によっては、収入印紙の貼付欄が設けられている場合もありますので、そういった場合にはその欄に貼り付けを行います。

収入印紙を貼り付けた後には、再使用ができないよう「消印」を行うのを忘れないようにすることも大切です。
(登記などに関する印紙税の収入印紙には消印が不要です)

こちらも位置に関して法律上の定めはありませんが、収入印紙の彩文(真ん中の絵の部分)と文書にまたがって印鑑を押すか署名をしていなければ、消印として認められませんので注意が必要です。

消印をする際の印鑑はその文書に捺印したものと同じ印鑑で押すのが一般的ですが、それと異なるものを使用しても問題はありません。

もし収入印紙の消印を忘れてしまうと、その印紙税額と同額の過怠税が課せられてしまいます。

収入印紙に消印を忘れた際のペナルティにつきましては、下記の項目の「収入印紙の消印を忘れた際の過怠税」に記載しておりますので、お手数をお掛け致しますがそちらをご覧ください。

ここまでを行えば、課税文書の作成者は印紙税を納付したということになります。

税印押なつによる方法

印紙税は、収入印紙を貼り付ける以外にも「税印押なつ」という方法を用いて納付することもできます。

税印押なつにより印紙税を納付する際には、事前に印紙税額相当額を「現金」で納付し、所轄税務署に課税文書に「税印」を押すことを請求し、
請求が認められたた後に、税務署に設置されている「税印押なつ機」を用いて課税文書に「税印」を押します。

税印が押された契約書などには、税印と書かれたマークが表示され、これが収入印紙の代わりになります。

税印により印紙税を納付すれば、課税文書が一時に多量に作成されるような際に、収入印紙の貼り付けの手間を削減することができます。

なお、税印押なつ機を使用するためには、事前に所轄税務署に使用許可の申請手続きなどが必要です。

税印を押すことを請求する際にも、「印紙税税印押なつ請求手続」などが必要となります。
出典:国税庁ホームページhttp://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/06/08.htm

【税印の画像】
収入印紙の税印の画像

税印を押すための「税印押なつ機」は、特定の税務署のみに設置されております。

その影響で「税印押なつ機」のない地域ではこの方法を選択することはできませんので、事前に所轄税務署に機器があるかどうかをご確認ください。
(税印押なつ機を備えている税務署は主要な税務署(規則別表第二に定めています)に限られています)

【税印押なつ機を設置している税務署一覧】
所轄国税局又は沖縄国税事務所 税務署名
東京 麹町、日本橋、京橋、芝、四谷、麻布、浅草、品川、世田谷、渋谷、新宿、豊島、王子、本所、立川、横浜中、川崎南、小田原、千葉東、甲府
関東信越 浦和、川越、熊谷、水戸、宇都宮、足利、前橋、長野、諏訪、松本、新潟、長岡
大阪 東、西、南、北、阿倍野、東淀川、茨木、堺、門真、上京、下京、福知山、神戸、尼崎、姫路、奈良、 和歌山、大津
札幌 札幌中、函館、小樽、旭川中、室蘭、北見、釧路、 帯広
仙台 仙台北、盛岡、福島、いわき、秋田南、青森、山形、酒田、米沢
名古屋 名古屋中、名古屋中村、昭和、熱田、一宮、岡崎、豊橋、静岡、沼津、浜松西、津、四日市、岐阜北
金沢 金沢、小松、福井、富山、高岡
広島 広島東、海田、尾道、福山、山口、徳山、下関、宇部、岡山東、鳥取、米子、松江
高松 高松、松山、今治、徳島、高知
福岡 福岡、博多、飯塚、久留米、小倉、佐賀、長崎、佐世保
熊本 熊本西、大分、鹿児島、川内、宮崎、延岡
沖縄 那覇、沖縄
※平成29年時点

税印押なつ機による税印は、納付した印紙税額が表示されません。

その影響で、
「現実に作成される段階になってみなくては印紙税額が確定しないような文書」
に対しては、税印の請求は認められないのが通常ですので、申請の際にはご注意ください。

【税印が認められない文書】

  1. 請求に係る課税文書に課されるべき印紙税額が当該課税文書の記載金額によって異なる場合で、かつ、当該記載金額が明らかでないとき
  2. 請求に係る課税文書が、当該請求の時点においては課税物件表のいずれの号の文書に該当するものであるかが明らかでない場合
  3. 請求に係る課税文書が、税印を明確に押すことのできない紙質、形式等である場合
  4. その他印紙税の保全上不適当であると認められる場合

手続きの手間などはありますが、大量の文書に収入印紙を貼り付ける手間がなくなるため、ご自身の状況によっては導入を検討されるのも手です。

印紙税納付計器により納付印を押す方法

収入印紙を使用しないで印紙税を納付する方法として、「印紙税納付計器」を使用するという手もあります。

印紙税納付計器とは、予め印紙税を金銭で納付し、その金額を印紙税納付機にセットしておき、そのセットした金額の範囲内で課税文書の作成者自らが納付印を押せる機器のことです。

この納付印は、どのような種類の課税文書にも押すことができ、承認を受ければ設置者が受け取る課税文書にも押すことができます

これにより様々な形態の課税文書が継続的に作成されるような場合に、その文書に1つずつ収入印紙を貼り付ける必要がなくなります。

印紙税納付計器を使用するためには、まずご自身の所在地を管轄する税務署長に「印紙税納付計器設置承認申請」を行います。

税務署長から、この申請に基づいて承認しても差し支えないと認められた場合、申請者に対して承認番号が付され通知されます。

印紙税納付計器設置承認申請の承認を受けましたら印紙税納付計器を購入・設置し、予め必要と認められる印紙税相当額を現金で納付し、印紙税納付計器をその納付額に合わせてセットします。
(印紙税納付計器は、正規の業者から入手するようにしてください)

金額のセットに当たっては、税務署で所定の措置を行った上で封印することになります。

なお、印紙税納付計器を使用して印紙税を納付する際には、「印紙税納付計器使用請求書」なども必要となりますので、事前にご確認ください。

出典:国税庁ホームページhttp://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/06/09.htm

【印紙税納付計器の納付印の画像】
収入印紙の印紙税納付計器の納付印画像※クリックで表示

(スマートフォンなどで画像が見辛いという方は、お手数をお掛け致しますが、上記のリンクをクリックすることで拡大された画像を見ることができます)

こちらも税印と同様に、事前に手続きなどが必要ですが、多くの課税文書を作成する場合には結果的に手間の削減に繋がります。

状況によっては、導入を検討するのも手かもしれません。

書式表示により納付する方法

特定の課税文書の作成者は、書式表示という方法を用いて印紙税を納付することができます。

書式表示とは、課税文書を作成した地域の所轄税務署長の承認を受けて、その文書に所定の書式を表示することにより、金銭でもって印紙税を納付することができるようになる方法のことです。

書式表示では、1ヶ月間の文書の作成数を翌月末日までにまとめて申告し、それを基に印紙税額を金銭で納付する事後納付となるのが通常です。

書式表示を行うためには、下記の要件を満たしている必要があります、

【書式表示による納付を行うための要件】
出典:国税庁ホームページhttp://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/06/11.htm

文書の種類は次のいずれかであること
  1. 毎月継続して作成されることになっている課税文書
  2. 特定の日に多量に作成されることになっている課税文書
  3. ※上記のいずれかに当てはまれば、号別による制限はありません。
文書の様式又は形式が同一であること
作成日付、数量、記載金額などを空欄にしておいて課税文書としての作成の都度それらを記載することとしているものも、定型化された様式であれば同一の文書として取り扱われます。
彩紋(収入印紙の真ん中の絵)については、色が異なる程度のものは同一の文書の範囲に入ります。
その作成の事実が後日においても明らかにされること
書式表示により印紙税を納付する場合、その印紙税は課税文書を作成した月の翌月末を納期とする事後納付となります。
これらの影響で、その課税文書の作成事実が後日においても明らかでなければ、納付額の正当性を明らかにすることができません。
印紙税の納付に対する不正を防ぐためには、その課税文書などの作成事実が後日においても明らかにされることが必要です。
後日においても作成事実が明らかにされているものとは、その文書が例え記載金額が免税点以下となることなどにより、印紙税の課税対象とならないとしても、他の必要性から必ず作成事績が記録されることとなっているもののことを指します。
承認を受けた場合には、次のうちいずれかの表示をすること

(スマートフォンなどで画像が見辛いという方は、お手数をお掛け致しますが、画像か画像下部のリンクをクリックすることで拡大された画像を見ることができます)

上記の要件を確認すると、作成事実が後日においても明らかである同一種類の課税文書が継続的に作成されたり、一時に多量に作成されたりする場合に、書式表示が使用できるということになります。

なお、書式表示を使用するためには、事前に「印紙税書式表示承認申請手続」などをしておく必要があります。

納税の際には、「印紙税納税申告(書式表示)手続」なども必要となりますので、事前に確認をしておくことが大切です。

過怠税と過誤納に係る3つの注意

印紙税は、課税文書などを作成した際には必ず納付をする必要があります。

納付を忘れてしまったり納付額を間違えてしまったりした場合、後に重いペナルティを受けることとなります。

このペナルティは「過怠税」と呼ばれ、本来の何倍もの印紙税の納付が必要となってしまうのが一般的です。

また上記以外にも、本来必要ない印紙税を納付してしまうといったようなトラブルもあります。

例えば、収入印紙を貼り付けた文書に対して、書き損じなどを行ってしまった場合などがその例です。

書き損じ以外にも、本来よりも多くの収入印紙を貼り付けてしまった場合などもこのトラブルに該当します。

通常どのような事情があっても、一度、貼付・消印がされた収入印紙は、普通に再利用をすることはできません。

既に貼付・消印をした収入印紙の還付などを受けるためには、お住いの地域の管轄税務署に対して所定の手続きを行うことが必要です。

これらの手続きにつきましては下記の項目でご説明致しますので、必要な方はご覧ください。

印紙税を過誤納した場合

印紙税を間違えて多く納付してしまった状態のことを、「過誤納」といいます。

印紙税を過誤納しますと、前述のように、その文書に使用した収入印紙をそのまま再使用することはできません。

これらの還付を受けるためには、「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]手続」という手続きを行う必要があります。

その際の手続きには、「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書」が必要です。

印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書は、国税庁のホームページよりダウンロードするか、税務署で貰うことができます。

【「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書」のダウンロード先】
「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書」

この書類に、必要事項を記入し、過誤納を行った文書と一緒に税務署に送付、又は持参などにより提出することで印紙税の還付を受けることができます。

上記でダウンロードした請求書は、白色の普通紙などに印刷をすることで、通常通り使用することができます。
(特殊な紙や光沢紙などは不可)

印刷後には、隅にある■がきちんと印刷されているかを確認することも必要です。

この■がかすれている、途切れて印刷されていると手続きの処理が上手くいきません。

なお、「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書」の記載例につきましては、国税庁のホームページで確認をすることができます。

【「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書」の記載例】
「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書」の記載例

書類提出後、税務署で事実の確認がされた後、1ヶ月程度で指定した方法により印紙税の還付や充当が行われます。

【印紙税過誤納[確認申請・充当請求]手続の手順まとめ】

  1. 「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書」を入手する
  2. 「印紙税過誤納[確認申請・充当請求]書」に必要な情報を記入する
  3. その請求書と一緒に収入印紙の貼り付けを間違えた文書を税務署に送付又は持参し提出する
  4. 適正調査の後指定の銀行口座振込に印紙代が還付される

収入印紙の消印を忘れた際の過怠税

不動産売買契約書などに収入印紙を貼り付ける際には、消印が必要となるということは既に記載をしました。
(登記印紙など「印紙は消印しないこと」と記載がされている申請様式などでは消印は不要です)

収入印紙に消印をすることは、不正な再利用を防止するために必要な手順です。

万が一消印を忘れてしまうと、その印紙税に対して過怠税が課せられることとなります。

収入印紙に対する消印を忘れた際の過怠税は、「納付すべき印紙税額」と同額です。

これにより本来納付するべき印紙税額と過怠税を合計すると、本来の「2倍」の印紙税の納付が必要ということになります。

【例】
不動産売買契約書に記載された金額が「3,000万円」であれば印紙税額は「2万円」
これに過怠税が掛かれば、「2万円 × 2 = 4万円」の印紙税の納付が必要となります

消印を忘れるだけで、これほどのペナルティを受けることとなってしまうため、十分な注意が必要です。

契約書に収入印紙を貼り付けた際には、消印を行ったかどうかを確認することが大切です。

印紙税の納付を忘れた際の過怠税

先程は、印紙税の過誤納に関する手続きについて記載を行いました。

印紙税の誤納付とされる状況は、この過誤納以外にも存在します。

それは必要な印紙税の納税を忘れてしまったり、本来よりも少ない金額を納付してしまったりした場合です。

こうなりますと印紙税法20条により、納付しなかった印紙税額の「2倍」の金額の過怠税が課せられます。

これを本来納付するべき印紙税額と合計すると、当初の「3倍」もの印紙税が必要になってしまうということになります。
【例】
不動産売買契約書に記載された金額が「3,000万円」であれば印紙税額は「2万円」
これに過怠税が掛かれば、「2万円 × 3 = 6万円」もの印紙税の納付が必要となります

後に印紙税額の不足に気付き、税務署からの調査を受ける前に自主的に不納付を申し出た場合には、
その納付しなかった印紙税の金額と「その10%に相当する金額」との合計額である「1.1倍」が過怠税のペナルティとなります。
【例】
不動産売買契約書に記載された金額が「3,000万円」であれば印紙税額は「2万円」
これに軽減された過怠税が掛かれば、「2万円 × 1.1 = 2万2千円」の印紙税の納付が必要となります

本来納付するべき金額よりも少ない印紙税額を納付してしまった際や納付を忘れた際には、早急に所轄税務署へその申し出をすることが大切です。

まとめ

不動産を売却する際には、多くの場合印紙税の納付が必要となります。

印紙税の納付の方法や必要性を確認し、必要であれば忘れずに納付を行うことが大切です。

印紙税を納付するために収入印紙を購入する際には、各購入場所の特徴を考え、ご自身に合っているものを選択することも必要です。

課税事業者の方は、購入場所による消費税の課税、非課税についても確認をすることで、お得に収入印紙を購入できる可能性があります。

購入時に非課税となる場所
  • 郵便局
  • 法務局
  • コンビニ(印紙売りさばき所)
  • タバコ屋や雑貨屋(印紙売りさばき所)
購入時に課税される場所
  • 金券ショップ
  • オークション

印紙税の納付方法は、収入印紙を貼り付ける以外にもいくつかの方法があります。

その中でご自身の状況にあったものを選択すると、後の納税の手間を削減することができます。

また印紙税を納付する際には、その金額に間違いがないかを確認することも大切です。

納税額に対して過誤納や不納付などが起こってしまった場合、後に余計な手間と時間が掛かってしまいます。

印紙税の過誤納に関しては特にペナルティはありませんが、不納付となると過怠税という追加の印紙税を課せられてしまいます。

不動産売却時の利益を増やすためには、こういった本来必要ない出費を減らすように意識をする必要があります。

不動産売買時には売買契約書以外にも様々な課税文書を作成する可能性があるため、それらについても意識をしておくことが大切です。

余計な出費や手間などを抑えるためにも、印紙税の納付は間違いなく行うようにしてください。

 - 不動産売却の基礎知識, 不動産売却時の費用