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不動産を売却する際に相場を確認する8つの方法と注意点

      2018/12/31

不動産を売却する際に仲介業者に依頼をした場合、不動産の査定や売却活動はほぼ依頼先のプロが行ってくださいます。

こう考えますと、売主の方が相場調査をする必要はないように感じるかもしれません。

しかし、不動産会社によっては不動産を早く売りたいために、わざと本来よりも安い査定額を提示したり、契約を取りたいためにわざと本来よりも高い査定額を提示したりする場合もあります。

不動産の査定額は業者によってバラつきがあり、必ずしも同じ価格とはなりませんが、査定を依頼した際に、価格が異常に「高い」・「安い」といった業者が存在する場合には注意が必要です。

このような業者と媒介契約を結んでしまいますと、適切な売買価格で不動産を売り出せず、売却に悪影響が出てしまう可能性もあります。

この記事では、このような事態を避けるために、大まかな不動産相場を調べる方法と売買価格を設定する際の注意点などについてご説明致します。

不動産売却の成功率と相場の関係

不動産売却時の成功率は、様々要因で変動します。

不動産を売り出した際の需要や地理的要因、効果的な広告など、買主の方が見つかりやすい環境が整っているほど不動産は売れやすくなります。

他にも、不動産の価格設定も大切で、ここで大きな間違いをしてしまいますと、それだけ買い手は見つかりにくくなってしまいます。

この項目では、不動産の売れやすさと売却価格の関係についてご説明致します。

売却のコツは物件の相場と売却価格

不動産は高額な金銭のやり取りが行われますので、即決で購入不動産を決める買主の方は殆どいません。

通常は、周辺の物件と条件や価格を比べるなどしてから、不動産の購入に踏み込みます。

その際に、本来の相場よりも不動産が高額過ぎますと、当然に購入希望者の方は現れにくくなってしまいます。

例えば、同じ地域に全く同じ条件・佇まいで「新築マンション」と「中古マンション」が売り出されており、売買価格が同じだったとします。

上記のような条件だった場合、多くの方は同じ価格で劣化の少ない「新築マンション」を購入します。

不動産の売れやすさの比較

不動産売却の際に、条件に合わない価格設定をしてしまいますと、長い間売れ残り、最悪は売れないままで終わってしまう可能性もあります。

不動産を売れやすくするためには、相場から適切な売買価格を設定することが大切です。

不動産を売却する際の相場動向

高額な不動産が売れにくいからといって、売買価格を異常に安くしてしまうのも考えものです。

不動産があまりに低価格で売り出されておりますと、その不動産に対して買主の方から不信感を持たれるケースもあります。

事故物件なのではといった不信感や、何か欠陥があるのではという不信感が生まれ、買主の方が購入に踏み込めない状態となってしまう可能性もゼロではありません。

また、何の疑いもなく不動産が売れたとしても、もっと相場が高かった不動産を安く売却してしまったという点で、得られた利益が本来よりも少なくなってしまうという問題も生まれます。

不動産を売却する際には、買主の方が魅力に感じる価格で、なるべく高い金額を設定するというのが理想です。

そのためには、不動産の大まかな相場を把握しておくことが必要です。

不動産の相場を把握するためには、現在の不動産にどの程度の価値があるのかという情報を集める必要が出てきます。

この項目では、不動産の相場に影響のある要因についてご説明致します。

不動産の売却金額を決定する要因

一言で不動産といっても、その中には「一戸建て」、「土地」、「マンション」など様々な種類が存在します。

これら不動産の種類でも売却価格に違いが出るのですが、他にもいくつも相場に影響を及ぼす要因が存在します。

下記は、不動産価格に影響を及ぼす可能性のある要因の一例です。

  • 不動産を売り出す都道府県や地域
  • 不動産の広さ
  • 不動産の間取り
  • 不動産からの最寄り駅と距離
  • 建物の場合は中古と新築
  • 不動産自体の状態
  • 暮らしやすさなどの環境的要因
  • 不動産のリフォーム・リノベーションの有無
など

これら以外にも、不動産の「境界確定」が済んでいるかどうかなどでも価格に影響が出る可能性があります。

境界確定が済んでいない不動産の場合、境界確定を行ってから売却するのが一般的ではありますが、中にはそのままの状態で売り出すケースもあります。

境界確定がされていない不動産はそれだけ売れにくくなってしまいますので、後に買主の方が境界確定測量を行うことを想定して、測量に掛かると想定される費用を売買価格から差し引いておくなどの対処が必要となるケースがあります。

不動産を売り出す地域と相場の推移

例え条件が同じ不動産でも、売り出した都道府県や地域によって実際の売買価格は変動します。

現在の日本では、不動産相場が高い地域と低い地域の2つがありますので、ご自身がお住いの地域での相場を調べる必要があります。

この項目では、不動産を売り出す地域と実際の相場の違いについてご説明致します。

不動産相場が高い地域の例

不動産相場の高い地域では、その分売却時の価格も高騰しやすくなります。

不動産相場が高くなる理由は様々で、人の多さや利便性なども影響します。

現在は、主に下記の都道府県の不動産相場が高い傾向にあります。

  • 東京都
  • 神奈川県
  • 埼玉県
  • 千葉県
  • 大阪府
  • 兵庫県
  • 京都
  • 愛知県
  • 福岡県
など

この中でも、特に首都圏は、2020年のオリンピックの影響による地価・建築費の高騰から、どんどん不動産価格が高騰しております。

オリンピック開催後には不動産価格が下落する可能性もありますので、不動産の売却時期は慎重に判断する必要があります。

北海道や沖縄などの不動産相場

日本の最北には「北海道」が、最南には「沖縄県」があります。

このような特殊な地理の土地は、本州と比べて不動産相場が特殊となりやすい傾向があります。

例えば、
北海道には日本で最も安く土地を買える地域が存在し、
沖縄は家賃が安いと言われるのが一般的です。

しかし、実際には
北海道も、地域によってはそれなりの価格で売られている土地がありますし、
沖縄は地価が全国「14位」であり、決して安い相場という訳ではありません。

不動産を売却する際には、元々持っている相場イメージに捉われず、的確な相場を調べることが重要です。

この地域での不動産価格は大体このぐらいだろう、といった調査方法では、実際と売り出し価格に大きな誤差が生じてしまう原因となります。

不動産相場を調べる方法

住宅などの不動産は、購入時点から年数が経つにつれ、段々と劣化していきます。

その影響もあり、購入当時の相場よりも売却時の相場のほうが低くなるのが一般的です。

また、年数が経つにつれ、時代の流れや背景などから、その地域の不動産相場が過去と大きく変わってしまうケースもあります。

この項目では、不動産の大まかな相場を調べる方法についてご説明致します。

不動産会社に査定を依頼する方法

不動産の相場を調べる方法として、一番簡単なのが不動産会社に査定依頼をするという方法です。

不動産会社は今までに数多くの物件の査定を行っておりますので、素人には分からない数々の要因を含めて相場調査を行ってくださいます。

不動産の査定方法には、主に下記の2種類があり、調査方法や価格の算定方法が異なります。

机上査定
不動産の所在地、面積、間取り、築年数などの情報から、価格の概算を査定する方法です。
訪問査定
不動産会社の方が売却予定の不動産を訪問し、実際に目で見て価格を査定する方法です。

通常は、机上査定よりも訪問査定のほうが、正確な査定価格となるのが一般的です。

なお、近年はネット環境を利用して、自宅で簡単に不動産査定を行えるサービスもあります。

パソコン、スマホなどから無料の不動産一括査定サイトにアクセスした後、入力フォームに必要事項を入力しただけで、不動産会社別の査定額を一括で表示できます。

行える査定は机上査定となりますが、一括で様々な会社の査定額を確認できますので、大まかな相場の予測を立てるのに役立ちます。

不動産のオンライン査定の内容につきましては、お手数をお掛け致しますが、詳しくは「不動産売却時にオンラインで一括見積もりを依頼する利点」の記事をご覧ください。

ご自身で不動産の相場情報を調べる方法

先ほど、不動産会社に査定を依頼して不動産相場を調べる方法を記載しましたが、不動産の相場は、個人で大まかに概算することもできます。

この場合、インターネットなどで必要情報を検索し、所定の計算で不動産価格を概算していきます。

個人の方が不動産の価格を決める全ての要因を把握して相場を算出するのはほぼ不可能ですので、個人でも分かりやすい項目だけに絞って相場を判断します。

土地相場の概算を行う場合には、

などがあります。

建物の場合は、

などがあります。

また、マンションの相場や買取を選択した場合の買取相場を概算する場合には、

などがあります。

これらご自身で不動産相場の概算をする方法をまとめてご覧になりたい方は、お手数をお掛け致しますが、「所有している不動産を売却する際に知っておきたい基礎知識」の記事にあります「不動産の予想売却価格の計算方法」の項目をご覧ください。

不動産の売り出し価格の決め方

不動産は環境的要因や土地建物の状態などによって、どの程度の売却価格となるのかが決まります。

不動産売却を成功させるためには、物件の相場を知り、的確な価格設定を行うことも大切です。

不動産会社に売却の仲介を依頼している場合には、不動産会社が売り出し価格の設定に対してアドバイスをしてくださいます。

売主の方は、不動産会社と相談をしながら、実際の売り出し価格を決定していく必要があります。

そうして不動産を売り出した後、長期間売れない状態が続いた場合には、価格設定に無理があった可能性があります。

この項目では、不動産を売り出す際の価格設定と売れない場合の対処法などについてご説明致します。

不動産が売れない場合の価格設定

不動産の売り出し価格は査定額ではなく、売主の方が自由に設定できます。

本来不動産は、売主の方が最初に「この程度の金額で売りたい」と考える希望価格で売り出すのが一般的です。

この売り出し価格の時点では、不動産が売れたら上々だという程度の気持ちで販売を行います。

その後一定期間が経っても不動産が売れなかった場合には不動産の価格を下げるのですが、その際には理想価格ではなく、実際の相場を基に価格を設定するのが一般的です。

この後に不動産が長期間売れ残ってしまいますと、更に不動産価格を下げるなどの対処をとらなくてはならなくなる可能性もあります。

不動産を売却する際には、それなりに支出も多くなりますので、あまりに売買価格を下げ過ぎてしまいますと、赤字が出てしまう一因となる可能性があります。

不動産が売れない場合には仲介業者とよく相談をし、早急に適切な解決を行う意識が必要です。

不動産が売れない原因と解決策

現在売り出した不動産が売れない場合には、様々な原因が考えられます。

売買価格が適切ではない、需要のない不動産を売り出しているなど、早急に原因を特定する必要があります。

不動産が売れない原因とその解決策につきましては、お手数をお掛け致しますが、詳しくは「不動産を売りたくても長期間売れない原因と解決策」の記事をご覧ください。

まとめ

不動産は適切な売買価格で売り出すほうが、買い手が見つかりやすくなります。

不動産に適切な売買価格を設定するためには、売主の方自身も大まかな物件の相場を把握しておく必要があります。

不動産の相場は、不動産会社に査定を依頼する、又はいくつかの情報からご自身で計算するなどして確認ができます。

不動産を売り出してから長期間売れ残っている際には、設定価格などに問題がないかを再度確認し、早急に適切な対処を行うことが大切です。

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